The National Museum of Ethnology (Minpaku) is a research center for ethnology and cultural anthropology.
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Senri Ethnological Reports (SER)

No.63 Cultural Dynamics among Ethnic groups in Border areas of China and Mainland Southeast Asia

December 27, 2006 Publication

Edited by Shigeyuki Tsukada

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刊行の目的および意義

中国と東南アジア大陸部諸国との国境地域において現在、国境の相対化が加速され、市場経済やグローバリゼーションが進展するなかで、国境に跨って居住する諸民族集団は以前にも増して複雑な問題となっている。本書は、中国と東南アジア大陸部の双方から個別の民族集団を照射し、文化人類学・歴史民族学、言語人類学の諸方面から実地調査に基づく多面的な比較研究を行うことで、国境地域に居住する諸民族の文化の動態の解明を試みたものである。検討された内容は大きく分けて、国境地域の民族の動向とその文化、民族の社会変動・文化変化、民族の文化復興運動・文化再生・文化復興、民族をめぐる歴史的動向、民族の言語・文字の歴史と現状、の5つに分類される。論文はのべ15本に及ぶ。対象とされた民族は、中国ではタイ族、チワン族、漢族、イ族、キン族、ベトナムではタイー族、ターイ族(黒タイ)、ヌン族、キン族、タイではユーミエン(ヤオ)族などである。方法は現地調査によるのみならず歴史文献も用い、歴史文献に主に依拠した論文2本も含まれており、学際的である。検討を通じて、中国・東南アジア大陸部の国境地域におけるそれら諸民族の文化の動態について少なからざる問題点を解明しえた。とともに、それぞれの国家において政府や研究者側からの民族の文化適応をめざす取り組み、あるいは民族側からの文化復興・文化遺産の保存を模索する新たな取り組みについても展望を得ることができた。それら国境地域の民族の文化の動態を解明し文化をめぐる新たな動きを追求することは、民族文化の現状を理解し将来を展望するうえで意義が大きなものがある。なお、本書は2004年6月に上梓した科研報告書『中国・東南アジア大陸部の国境地域における諸民族文化の動態に関する人類学的調査研究』をベースとし、後に各執筆者が加筆したものである。

 

目次

序文
 ……………… 塚田誠之
中越、中老跨国境民族研究
 ……………… 范宏贵
哀牢山下傣族的原始信仰
 ……………… 杨光远
西双版纳傣泐民居建筑与信仰习俗
 ……………… 玉康
Then- A Shamanistic Phenomenon of the Tay in Vietnam
 ……………… Ngo Duc Thinh
ベトナムの雷神信仰と道教
 ……………… 大西和彦
黒タイ村落における姓の継承と個人呼称
 ……………… 樫永真佐夫
中国広西壮(チワン)族とベトナム・ヌン族の民族間関係――文化の比較と交流を中心として
 ……………… 塚田誠之
旅游生境与文化调适――丘北县仙人洞村的调查研究
 ……………… 尹绍亭・李继群
エスニック観光と「風俗習慣」の商品化――西壮版納タイ族自治州の事例
 ……………… 長谷川清
建築物・装飾・歴史から見る国境地域の多元的文化――雲南省騰衝県和順郷の事例研究に基づいて
 ……………… 韓敏
中越边境民族文化振兴与经济互动的考察
 ……………… 袁少芬
Reproduction of Yao Culture: A Case Study of Pien Hung Shrine at Ban Huey Chang Lod in Northern Thailand
 ……………… Mongkhol Chantrabumroung
タイにおけるユーミエン(Iu Mien)の文化復興運動概況
 ……………… 吉野晃
20世紀初、ヴェトナム西北タイ族社会の変容と抗仏運動
 ……………… 武内房司
中国傣族与国境外近亲民族的语言和文字――历史、现状和前途
 ……………… 张公瑾
 

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