The National Museum of Ethnology (Minpaku) is a research center for ethnology and cultural anthropology.
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Senri Ethnological Reports (SER)

No.64 Presenting `Multiethnic Japan': a Special Exhibition

December 28, 2006 Publication

Hiroshi Shoji

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刊行の目的および意義

2004年3月末から約70日間、国立民族学博物館(民博)において特別展「多みんぞくニホン――――在日外国人のくらし」が開催された。筆者はこの展示の実行委員長として、約20名の展示プロジェクトメンバーとともに、構想から企画、資料の収集、展示の実現にいたるまでかかわってきた。このような特別展の準備と平行して、いくつかの点で日本ではおそらくはじめての試みである在日外国人にかかわる展示を研究面で開発し、サポートするために、民博共同研究「在日外国人と日本社会の多民族化」をたちあげた。本書は特別展示プロジェクトメンバーを中心としてこの共同研究にかかわった人びとによる報告書である。その目的はメンバーがそれぞれ特展と共同研究にかかわったほぼ2年間に、展示の担当分野とのかかわりのなかで、なにを課題とし、いかなる結果をえたか、そしてなにを課題としてのこしたかについての報告することにある。
第一部は、主に特展場一階の導入部分において、コミュニティ横断的で、外国人全般にかかわるテーマを担当したメンバーによる、特展の成果を踏まえた上での批判的論考である。
第二部では、エスニック・コーナーの担当者が、それぞれのコーナーについてさまざまな問題意識とエスニック・コミュニティとのかかわりをもちながら展示を実現した経緯について述べている。
第三部は、本特展メンバー以外の執筆者によっている。戴エイカ氏は、日本の多民族化についての初めての展示である本特展に構想段階から強い関心をもって注目してきたがその中心的な理念である多文化のあつかいについて批評している。

 

目次

はじめに
庄司博史・金美善
総論
特別展「多みんぞくニホン」のめざしたものと達成したもの
 ……………… 庄司博史
みんぞく、外国人、「多文化共生」――特別展「多みんぞくニホン」をとりまく若干の概念について――
 ……………… 庄司博史
多民族社会の境界設定とエスニック・ビジネス
 ……………… 樋口直人
エスニック・メディア展示の意義と課題
 ……………… 中野克彦
パンダのしっぽは白か黒か ――中国帰国・渡日児童たちの展示場からみる「中国人」、「日本人」、「多みんぞく」
 ……………… 城田愛
ポスト「多みんぞくニホン」展への課題 ――大阪の社会空間から――
 ……………… 島村恭則
子どもコーナーから見えた多様なつながりの形
 ……………… 小谷幸子
各論エスニックコーナー
在日朝鮮人に関する展示の可能性 ――1枚のビラからつなぐ在日100年――
 ……………… 藤井幸之助
在日コリアン一世女性のホスト社会への適応過程 ――展示に表現された生活史から――
 ……………… 金美善
エスニック・コミュニティと個人の「力」――洪昌守のトロフィーをめぐって
 ……………… 前田達朗
在日ブラジル人の語るものとは
 ……………… リリアン・テルミ・ハタノ
「多みんぞくニホン」特別展における在日華僑
 ……………… 張玉玲
新来中国人の多様性と共生への道 ――特別展「多みんぞくニホン」を振り返って――
 ……………… 陳於華
新華僑・新華人に関する展示のねらいと残された課題
 ……………… 佟岩
「中国帰国者」の表象をめぐって ――トランスポジションの展示を目指して――
 ……………… 南誠
在日ベトナム人コミュニティのイメージ
 ……………… 北山夏季
「多みんぞくニホン」の背景と応用
グローバル化とエスニシティ:エスニック・コミュニティの形成
 ……………… 田嶋淳子
国立民族学博物館特別展「多みんぞくニホン」を教育現場に生かす
 ……………… 織田雪江
「多みんぞくニホン ――在日外国人のくらし」における多文化主義の課題
 ……………… タイ・エイカ
付録
特別展「多みんぞくニホン ――在日外国人のくらし」関連の催し物
特別展「多みんぞくニホン ――在日外国人のくらし」プロジェクトチーム
特別展「多みんぞくニホン ――在日外国人のくらし」役割分担
 

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