国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱくのオタカラ

今月の見てみんサイト 2003年7月17日刊行

たにんばり

● 世界の金魚

祭の季節がやってきた。昔から人気の高い屋台といえば、金魚すくいだろう。私がこの前にやったのは十年以上も前だろうか、はっきり思い出せない。久しぶりの挑戦だったが、早々に立ち去っていく若者たちを尻目に9匹をすくって、面目躍如。その興奮の余韻を残したまま、パソコンに向かう。

金魚が日本にわたってきたのは、室町時代のことだそうだ。その美しい姿形(ときにはグロテスク?)は、500年後の今も人びとの関心をひきつけている。写真つき飼育情報をインターネットで公開するという、新しい楽しみ方もその一因のようだ。

まずは日本のサイトを紹介しよう。

★<http://member.nifty.ne.jp/kingyoaquarium/index.html>
このサイトでは、86種類もの金魚が写真入りで紹介されており、金魚飼育の奥深さが実感できる。これから金魚を育ててみようかという気にさせられるサイトである。

それでは、金魚の本場、中国語圏のサイトはどうだろうか。

★<http://www.chinagoldfish.net/>(簡体字中国語)
「金魚品種」(に似た字)という見出しの下の方をクリックしていくと、面白いように金魚の写真が出てくる。種類を数えてみると95種。数だけが豊かさの指標ではないが、本場の金魚飼育の熱心さも、さすがに日本に劣らない。

金魚の品種名やグループ名を細かく見ても面白い。「文系金魚」、ということは理系もいるの?「江戸錦」、日本から逆輸入された品種だろうか?

★<http://www.scitom.com.cn/museums/goldfish/home01.html>(簡体字中国語)
百科事典のページなので漢字ばかり並んでいるが、ちゃんと写真にリンクしている。品種数110。

★<http://ebas1.ebas.gov.tw/data/mywebpage/user/d613/c5.html>(繁体字中国語)
一品種について複数の写真があるので数えていないが、かなりの品種数。一品種でも微妙なバラエティがこんなにもあるのかと感心した。同じ中国語圏の他の二つのサイトとは分類法が異なっていて、民族分類学的にも面白い。「日本蘭寿」「和金」「琉金」「土佐金」など、日本と同じ呼び方の品種が多いところをみると、サイトの主人は日本種の愛好者だろうか。

最後に、英語圏のサイトをひとつだけあげておこう。

★<http://www.kokosgoldfish.com/ftypes.html>
「オランダ」「ランチュウ」「リュウキン」「デメキン」といった日本の品種名が採り入れられているいっぽうで、英語の品種名も多い。中国での品種名は英訳されたようだ。日本語と中国語が英語に受容される際の違いだろうか?研究になりそうなテーマだ。

金魚飼育の文化は、お家元の中国だけでなく、さまざまな文化圏からの影響を受けながら広がってきている。これは、その歴史の長さに由来するのだろう。同じ文化のグローバル化でも、ポップカルチャーの場合とはその点が少し異なっているようだ。

たにんばり