国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱくのオタカラ

アザラシ皮のアノラック、サケ皮の上着 2005年7月15日刊行

野林厚志

梅雨もそろそろあけ、本格的な夏到来である。夏といえば海、海といえば水族館、と少し(かなり)こじつけたような気もしながら、今回は企画展「みんぱく水族館」に出展する2つのオタカラを紹介しよう。

のっけに夏到来と書いておきながら、紹介するのは実は寒い地域の資料2点。アザラシ皮のアノラックとサケの皮を用いた上着である。アノラックはイヌイットの人たちが使用しているもので、サケ皮の上着はロシアの人たちが製作、使用してきたものである。

アザラシもサケもそれぞれの地域で重要な食糧資源であると同時に、その皮は衣服の材料としても非常に大切なことがわかる。植物資源にかぎりがある自然環境下にあっては、動物が生きた「生活必需品」としての地位を占めているのである。

どちらの地域でも容易に市販の衣料品が手に入る今、身の回りの環境から自分たちに必要なものを創りだす営みは姿を消しつつある。今回紹介する2つの資料を作れる人もごくごく少数に限られてきた。人間の創意工夫があふれた生活品も民博のオタカラなのである。

*この2点の資料は2005年7月21日から9月20日まで開催される企画展「みんぱく水族館」に登場します。

野林厚志(文化資源研究センター)

◆今月の「オタカラ」
【上】標本番号:H228042 / 標本名:アザラシ皮のアノラック
【下】標本番号:H213191 / 標本名:サケ皮の上着

アザラシ皮のアノラック
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サケ皮の上着
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◆関連ページ
企画展「みんぱく水族館」(2005年7月21日~9月20日)