国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

巻頭コラム

「みんぱくキッズワールド」開催中  2006年4月14日刊行
   
・Contents・

【1】特別展「みんぱくキッズワールド」開催中
【2】企画展「さわる文字、さわる世界」開催中
【3】みんぱくゼミナール「触らぬ神に当たりなし」
【4】研究公演「ホワイト・カカトゥ来日公演」
【5】巡回展のお知らせ
【6】ネパール写真データベースを公開しました
 ☆編集後記

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【1】特別展「みんぱくキッズワールド:こどもとおとなをつなぐもの」開催中
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/kids/index

特別展「みんぱくキッズワールド:こどもとおとなをつなぐもの」が3月16日に開幕して、はや1ヶ月がたちました。

今回の特別展は「こども」をキーワードとしたものであり、こどもに何かを伝えたいという気持ちを展示でいかに表現するか考えてみました。たとえば、特別展示場1階では、ギフト(贈り物)ということをメインテーマにしています。
ここでは大人がこどもに「贈り物」をする習慣について世界各地の事例を紹介しています。もちろん、日本の習慣も展示していますので、世界各地の習慣と日本の習慣について、いろいろ比較してみていただければと思います。

日本におけるこどもへのギフトの習慣が大衆化するのは、江戸時代になります。その後、時代に応じてその様式が少しずつ変化していますが、現代においてもよく伝えられている習慣の一つといえるでしょう。このような日本の習慣についてあらためてみてみると、こどもを平穏無事に成長させることに対しての、大人のなみなみならぬ執念を感じます。これが違う地域になると、家族の構成員の一人として役割を担っていくのに必要な道具が贈られ、「小さな大人」としてその存在を認めていく習慣というのもみてとることができます。

こどもに贈り物をするという、世界各地でみられる習慣について、少し覗いてみると、そこには違う意味づけがなされているということを知ることができるのも、今回の展示の面白いところだと思います。また、こどもと大人の関係のあり方についてのヒントも得ることができるのではないかと思います。

5月30日の閉幕までに、ぜひ、家族でみんぱくに来ていただいて、こどもとおとなの関係について、ちょっと考えていただけたらと思います。
どうぞ、会場までお越しください。

副実行委員長 日高真吾

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● 特別展「みんぱくキッズワールド:こどもとおとなをつなぐもの」
開催期間:2006年3月16日(木)~5月30日(火)
会場:特別展示館

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★みんぱくキッズフェスティバル★

昨年開館したばかりの九州国立博物館の他、近隣の博物館や子どものための活動をしている団体がみんぱくに集合してフェスティバルを開催します!
子どもの日をみんぱくで過ごしてみませんか。
詳細は追ってHPでお知らせします。

日時:2006年5月5日(金・祝・無料入館日)

★ワークショップ(小学校4年生くらいから楽しめます)★

http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/kids/event

◆「家族で遊ぼう!世界のボードゲーム」
 おしゃべりしたり、笑ったり、考えたり…。
 カードやサイコロを使って遊ぶボードゲームをみんなで楽しみましょう!

日時:4月15日(土) 11時~16時
講師:NPO法人 世界のボードゲームを広める会 ゆうもあ
参加費:無料

◆和装本をつくろう
 日本の伝統的な製本方法である和装本を作るワークショップ。

日時:5月13日(土) 13:00~16:30
講師:株式会社岡墨光堂
会場:特別展示館地階ピロティ、またはセミナー室
定員:20名
参加費:70円 ※事前申し込みが必要です。

◆ループを使って紐を組んでみよう
 古代から中世の日本の甲冑(かっちゅう)製作等で用いられた組紐の技法を体験するワークショップ。

日時:5月27日(土) 11:00~/13:00~/14:00~/15:00~
講師:財団法人元興寺文化財研究所
会場:特別展示館地階ピロティ、またはセミナー室
定員:各回15名
参加費:70円

お問い合わせ:情報企画課展示事業係 TEL:06-6876-2151(代表)
※「家族で遊ぼう!世界のボードゲーム」以外のワークショップは事前申し込みが必要です。定員になり次第、締め切らせていただきます。

★みんぱくミュージアムパートナーズ(MMP)によるワークショップ★

◆「遊び隊」
 MMPと一緒にメンコやコマ、リリアン、パネルシアターなどで遊ぼう
 日時:会期中随時  会場:特別展示館内

◆「おりがみで遊ぼう!」
 万華鏡、羽ばたく鶴、アクロバットホースをつくろう
 日時:4月20日(木) 11:00~/14:00~
    5月4日(木・祝) 11:00~/14:00~
    5月13日(土) 11:00~ 5月18日(木) 11:00~

◆「点字で名刺をつくろう」
 点字ってどんなもの?自分の名前を打ってみよう
 日時:会期中5回程度開催予定  会場:特別展示館2階

◆「かみしばい」
 郷土玩具を主題にした特別展オリジナル紙芝居などを上演
 日時:会期中5回程度開催予定  会場:特別展示館2階

◆「いろいろ な なまえ」
 カナリヤ、梅染、ダンディライオン。みんな色の名前って知ってた?
 絵の具でオリジナルの色をつくって好きな名前をつけてみよう。
 あなたは色の名付け親!
 日時:5月21日(日)  会場:特別展示館2階

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【2】企画展「さわる文字、さわる世界─ 触文化が創りだすユニバーサル・ミュージアム─」開催中
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/thematic/shokubunka/index

「あなたもさわれる展示」ではなく、「あなたがさわる展示」。
本企画展では、さまざまな物に直接さわることから、現代人に軽視されがちな触覚のおもしろさに迫ります。見ることが中心だった従来の博物館を抜け出し、さわる宇宙の広がりを実体験しましょう。

開催期間:2006年3月9日(木)~9月26日(火)
会場:常設展示場内

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【3】みんぱくゼミナール「触らぬ神に当たりなし ─ 五感で拓く新たな人類学」
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/seminar/336

視覚を使えないという常識(5-1=4)ではなく、視覚を使わない非常識(5-1=6)から得られるユニークな人生論。企画展「さわる文字、さわる世界 ― 触文化が創りだすユニバーサル・ミュージアム―」の趣旨を中心に、障害を異文化としてとらえるおもしろさを紹介します。

講師:広瀬浩二郎(民族文化研究部助手)
日時:4月15日(土)13時30分開演
場所:民博 講堂
参加方法:聴講無料。事前のお申し込みは不要です。

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【4】研究公演「ホワイト・カカトゥ来日公演
    ─ オーストラリア・アーネムランドの音楽と美術」
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http://www.minpaku.ac.jp/museum/event/slp/performance0606

オーストラリア先住民アボリジナルのパフォーミング・グループ、ホワイト・カカトゥ(白いオウム)が、東京のディンカム・オージー倶楽部の招きで「みんぱく」にやってきます。ステージでくりひろげられる楽器ディジュリドゥの演奏とダンスそれに歌は、彼らが暮らす大陸北部アーネムランドの自然を、そして日々の生活をうたいあげます。

日時:2006年6月4日(日)14:00~15:30(13:30開場)
会場:民博 講堂
解説:松山利夫(民族社会研究部教授)
   上野哲路(ディンカム・オージー倶楽部、NPOアボリジニ文化支援プロジェクト)
   ジョン・マンディン(民博外国人客員研究員)
出演:ディジュリドゥ奏者;ダリル・ディカルナ・ブラウン
   歌;マーシャル・ララ・ウィ・カンピオン、ジョー・ワトソン
   ダンス;ミック・マララ、ティム・カラカラ
参加方法:定員450名、往復はがきにてお申し込みください。
     詳細はホームページをご覧ください。
申し込み締切り:5月19日(金) 当日消印有効

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当館で好評を博した特別展の巡回展を開催しています。

★「アラビアンナイト大博覧会」
 日時:2006年4月8日~5月28日
 場所:岡崎市美術博物館

http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/opensesami/index

★「世界大風呂敷展」
 日時:2006年4月8日~5月17日
 場所:名古屋市博物館

http://www.minpaku.ac.jp/museum/exhibition/special/200210/index

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【6】ネパール写真データベースを公開しました
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http://www.minpaku.ac.jp/menu/database.html

このデータベースは、1958年の「西北ネパール学術探検隊」(隊長:川喜田二郎氏)に参加した京都文教大学元教授の高山龍三氏と隊員が撮影した写真(3,584点)、及び同隊がネパールで収集し、現在、国立民族学博物館に収蔵されている標本資料(295点)の写真から成ります。

探検隊が撮影したネパール西北部ドルパ地方の写真は、1959年のチベット動乱以前の姿を記録している点で世界的にも珍しく、極めて貴重なものです。私たちはこのデータベースを教育及び学術的な利用のために公開することで、歴史的な写真の現地への還元、現地情報の交換や更新、ネパール社会や自然環境の変化に関する研究などに役立ちたいと願っています。

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☆編集後記

万博公園の桜の花は、見頃を過ぎてしまいました。
しかし、特別展や企画展をはじめ、みんぱくの春のイベントは今が真っ盛りです。
期待に胸をふくらます新入生の気分で、どうぞおいでください。

林勲男