国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

巻頭コラム

新館長就任挨拶  2009年4月15日刊行
須藤健一

グローバル化の進行にともない地球上の多様な文化が失われつつある今日、国立民族学博物館(みんぱく)の活動が重要になってきます。みんぱくは、人類の文化と社会を調査研究する民族学・文化人類学の研究所だからです。第5代館長の須藤健一です。民博の創設期に在職し、初代館長の「梅棹美学」の実現に向けて、調査研究に、標本資料収集に、そして展示作業に励んだことを思い出します。16年ぶりに民博へ帰ってきました。創設から30年余、みんぱくは進化し続けてきましたが、今年から新たなときがはじまります。アフリカ、西アジアの常設展のリニューアル、茶の湯のものづくりと民族資料が出会う「千家十職×みんぱく」の特別展、そして創意に富んだ企画展など、盛りだくさんの催しものが展開中です。

みんぱくはこれからも、モノと情報をとおして異文化と自文化をきわめる「知の空間」としてみなさまと緊密な関係をきづいていきます。いつ来ても、どこからアクセスしても、何か新しい発見ができる場にしたいと考えています。

須藤健一(国立民族学博物館第5代館長)