国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱくのオタカラ

ダンダシュのベリーダンス衣装 2010年2月17日刊行

西尾哲夫

カイロの人気ベリーダンサー、ダンダシュさんの一日を映像取材していたときのこと。プロのダンサーは夕刻に起床し、一日に二、三回のステージをこなす。彼女の自宅でのようすから始まり、最終のステージを録画することになった。

ところがショーが始まると、客席のサウジアラビア人が「撮るな」と抗議。どうしようもないので取材をあきらめかけたのだが、店のスタッフ一同をはじめ、ダンダシュさん本人も座付きの楽団も、「このショーが終ってから、取材用にもう一度踊りましょう」と言ってくれた。

というわけで、その日の最終ステージが終ってから、なんと四度めのダンスが始まった。ふだんなら午前二時には店が閉まるのだが、この日の終了は午前四時。店のスタッフ全員が残って段取りをすすめてくれた。それにしてもベリーダンスを生でごらんになった方ならわかっていただけるだろうが、あの迫力で四度も踊るダンサーの体力と気力には脱帽するしかない。

最終ステージが終ったとき、ダンシュさんが身にまとっていたステージ衣装をそのまま標本資料として収集した。というわけで、このステージ衣装にはプロのダンサーの心意気と美女の熱気がこもっているのです。

西尾哲夫(民族文化研究部教授)

◆今月の「オタカラ」
標本番号:H0228957 / 標本名:ダンダシュのベリーダンス衣装

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