国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱくのオタカラ

物入れ袋 2012年10月12日刊行

吉本忍

2012年9月13日に特別展「世界の織機と織物―織って!みて!織りのカラクリ大発見」が開幕した。一般的に織物は長方形のかたちとして理解されているが、本特別展では、世界の諸民族のもとで織られてきた多種多様なかたちの織物が展示されている。

織りあがりがどこにもつなぎ目のない輪状の織物、ヨコ糸の織幅を変化させた楕円状の織物、ホースやチューブのような管状の織物、他にも枝状、フォーク状、うろこ状、袋状など、さまざまな織物のかたちをみることができる。

今回紹介するオタカラは、ひだ状の織物である。この袋は、ひだ状に織りあげた紋織物をふたつ折りにして、縫い合わせただけのものであるが、ひだ状部分が小さなポケットになっている。タテ糸の長さの違いから布地は部分的にひだ状となる。ボリビアの標高3000メートルを超える高地でつくられたものだ。嗜好品のコカの葉を入れる袋として用いる場合、ポケットには一緒にかむための石灰のかたまりが入れられる。

本資料は特別展会場2階の「異形の織物」のコーナーにて、織機と製作工程を記録した映像とともに展示されている。ぜひ足をお運びいただき、自身の眼でご確認いただきたい。

吉本忍(民族文化研究部教授)

◆今月の「オタカラ」
標本番号:H0105742/資料名:物入れ袋

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◆関連ページ
特別展「世界の織機と織物─織って!みて!織りのカラクリ大発見」(2012年9月13日~11月27日)