国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱくのオタカラ

ヨーロッパ展示場 移民が語るライフストーリー 2013年2月22日刊行

庄司博史

今日、日本でも定住する外国人が増加するにつれ、ようやく「移民」ということばが使われ始めている。かれらは越境という大きな人生の転機をへて、あらたなホスト社会を生活の場として、どう生き、どんな将来を夢見ているのだろう。

19世紀、単一民族文化を基盤とした国民国家を築きあげたヨーロッパは、20世紀後半より大きな転機をむかえている。そのきっかけの一つはEU(ヨーロッパ連合)を中心として、西欧から始まったヨーロッパ統合の動き。もう一つの新たな動きは、19世紀半ばからのヨーロッパへの難民や労働移民の増加である。今日ヨーロッパでは、外国うまれの人びとが人口の1,2割をしめる国もめずらしくない。

今回のオタカラ、ヨーロッパ展示場にある「移民のライフストーリー」のコーナーでは、3分の映像をとおして、ヨーロッパへ移住した移民や難民が、それぞれの移住の背景、今日の生活、将来へのおもいなど語ってくれる。登場するのは、フィンランドとスウェーデンで暮らす10人のひとびと。出身地は、パレスチナ、ベトナム、パキスタン、アフガニスタン、タイ、アンゴラ、ハンガリーなど、職業も美容師、教師、コック、エスニック商店従業員や市役所職員とさまざまだ。故郷や残した家族への想いをいだきつつ、新たな社会のメンバーとして生きようとする彼らの生のことばに耳をかたむけていただきたい。

庄司博史(民族社会研究部教授)

◆今月の「オタカラ」
ヨーロッパ展示場「移民のライフストーリー」のコーナー(映像の写真)
【上】一覧画面
【下】一覧で選択したものの詳細が映像でみられる

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