国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

みんぱく映画会

2008年4月6日(日)
あの山、人々、この愛―スクリーンの中の中国少数民族「雲南の少女 ルオマの初恋」
 特別展「深奥的中国―少数民族の暮らしと工芸」関連

2008年4月6日(日) 13:30~16:00(開場13:00)
 「雲南の少女 ルオマの初恋」

2008年4月13日(日) 13:30~16:00(開場13:00)
 「山の郵便配達」

電影大国の異名をとる中国は、世界でも指折りの映画製作国です。作られる映画も、文学作品をモチーフにしたもの、政治問題をあつかったもの、アクションものや娯楽作品など、さまざまなジャンルにわたります。中国映画の一つの特徴は、時代に敏感で、そのときどきの社会の関心事や問題を丁寧に扱うことだと言ってよいでしょう。同時に、喜怒哀楽がストレートに表現され、見るものが、映画に自然にひきこまれていく作品が少なくありません。

今回のみんぱく映画会でとりあげる作品は、西南中国の少数民族の人々の日常を描いた秀作2本です。変動する中国社会のなかで少数民族の人々が重ねるさまざまな経験が、美しい自然の風景のなかに丹念につむぎあげられています。今回は、映画の登場人物となったハニ族、トン族の社会のなかで、長年研究を続けてこられた研究者のかたにもお越しいただき、少数民族の人々が育んできた文化の魅力についてもお話いただきます。

  • 場 所:国立民族学博物館 講堂
  • 定 員:450名(先着順、申し込み不要・参加無料)
  • 主 催:国立民族学博物館
  • 解 説:4月6日 稲村務(琉球大学准教授)、4月13日 兼重努(滋賀医科大学准教授)
  • 司会・解説:4月6日 韓敏(民族社会研究部准教授)、4月13日 野林厚志(文化資源研究センター准教授)

上映作品

「雲南の少女 ルオマの初恋」 「雲南の少女 ルオマの初恋」(2002年作品 上映時間90分)
監督:チアン・チアルイ(章家穂)
出演:リー・ミン(李敏)、ヤン・チーカン(楊志剛)、シュー・リンユエン(祝琳媛)
脚本:モン・チアソン(孟家宋)
製作:ヤン・ホンウェイ(楊紅衛)、タン・ミンション(唐明生)、チョン・チーピン(鄭治平)
雲南省南部、美しい棚田が広がるハニ族の村。17歳のハニ族の少女、ルオマは、省都昆明に行き、エレベーターに乗ることが夢。自然とともに生きるハニ族の暮らしを誇りとする祖母はそんなルオマにとまどいを感じながらも、孫の成長を暖かく見守ってきた。そんな日常にある変化がおとずる。都会から来た漢族の男性アミンへ抱く初恋の気持ち、ルオマの気持ちに引かれていくアミン。アミンとともに昆明に行く決心をしたルオマは・・・。

解説者プロフィール

●稲村務(琉球大学准教授)
1966年佐賀県生まれ。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学系中退。専攻:社会人類学・比較民俗学。編著に『国?哈尼/阿?研究資料目?(The International Bibliography on Hani-Akha)』、論文に「日本古代史研究におけるハニ族資料の取り扱いについて―比較民俗学の道」「ハニ族『文化』の政治学―出版から見た民族表象」など。 ホームページ「ハニ語アカ語の時間」
http://www.cc.u-ryukyu.ac.jp/~tinamura/hanigo-akago.html

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