中世スペインのイスラム支配下で誕生し、展開したアラブ・アンダルシア音楽「ヌーバ」。 その古典組歌を、〈モロッコの花〉とたたえられる天才的な歌姫、アミナ・アラウィが、弦楽器ウードやヴァイオリンの繊細な響きにのせて、歌いあげる。 その声調は、現代の感性に満ち満ちてはいるが、それでもなお、かつてアルハンブラ宮殿の、泉の音のする中庭で奏でられた典雅で芳醇な音楽をほうふつさせる。
モロッコのフェズに生まれる。6歳からピアノ、舞踊、声楽を習い始める。後にスペインのグラナダ大学で文献学と言語学(アラビア語、フランス語、スペイン語)を専攻。アミナ・アラウィは、アラブ・アンダルシア音楽(古典組歌)のうち、特にグルナーティ(グラナダ)様式を、もっとも得意のレパートリーとするが、一方で、夫のアンリ・アニェルとともに、ヨーロッパ中世の歌曲についても研究している。これまでに数々の賞を受賞している。
2000年には、フラメンコとファドとアラブ・アンダルシア音楽とのあいだの音楽的類縁性を基礎にした音楽理論研究に対して、《Villa Mé dicis
Hors les Murs》賞を授与された。
ウード奏者、アラブ音楽研究者。多摩美術大学教授。
チュニス国立高等音楽院教授アリ・スリティにエジプト楽派のウード奏法と音楽理論を師事。
ナスィール・シャンマ主宰カイロ・ウードハウスにてイラク楽派のウード奏法を研究。
アラブ音楽グループ「ル・クラブ・バシュラフ」メンバー。フランス・アラブ世界研究所第3回音楽祭(2002)、
カイロオペラハウス第11回アラブ音楽祭(2002)、バハレーン公演(2003,2009)、第22-25回チュニジア・メディナ音楽祭(2004-2007)、
ハマメット音楽祭(2008)など、内外で公演多数。サラーフ・マハディ著『アラブ音楽』(PASTORALE出版)を翻訳。
共著に『アラブ・ミュージック-その深遠なる魅力に迫る』(東京堂出版)など。arab-music.comを運営。
近著に、『アレクサンドロス変相―古代から中世イスラームへ』(2009年)がある。