国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究公演

2008年5月10日(土)
タイ族のこころの調べ―中国雲南省徳宏州からの民間芸術団公演
特別展「深奥的中国―少数民族の暮らしと工芸」関連

 

中国雲南省の西南端、徳宏タイ族ジンポー族自治州にくらすタイ族は、独特の音の文化をもっています。日本の万葉の昔を思い起こさせる即興の歌の掛け合いは、タイ族の詩的世界の魅力を伝えます。タイ族ならではのリズムと音色に合わせた踊りの中から、無形文化財に指定されている孔雀の舞、さらに太鼓の舞、武術の舞をご覧いただきます。かつては青年の求婚プロセスと深くかかわっていたフルス(葫蘆絲)-ひょうたん笛、タイ語ではビラムダオ-はあなたの心にどう響くでしょうか。来日する3名は、ワン・シァンヤー率いる民間芸術団のメンバーとして村々をまわり、現地の人々に高い人気を博しています。日本人ながらフルスの名手として現地でも知られる伊藤悟とともに、徳宏タイ族の土地に根ざしたこころの調べをお届けします。

横山廣子(民族社会研究部准教授)
タイ族と同じく掛け合い歌の文化をもつ大理のぺー族など、雲南の諸民族の社会と文化の研究に従事。

ワン・シァンヤー(晩相牙)
徳宏タイ語による歌謡の貴重な伝承者。徳宏人民ラジオ・テレビ局タイ語編集部主任を務めていた時代から、徳宏タイ族の4部の故事長詩を編集整理して刊行するなどの活動を続けてきた。1996年にはタイ国チュラロンコーン大学から招聘され「タイ族と稲作文化学術会議」に出席。現在、「シァンヤー芸術団」を組織し、タイ族の民間音楽芸術の伝承に尽力している。中国曲芸家協会雲南分会会員。

 

パガ・フーカム(金莫栓)
「シァンヤー芸術団」団員。タイ族農民。タイ族歌謡の歌い手ならびに男性舞踊の踊り手として地元で広く知られている。

 

エ・ジェム(肖小叶)
 「シァンヤー芸術団」団員。タイ族農民。女性の若い踊り手の中で抜きん出た実力を認められている。

 

伊藤悟
 総合研究大学院大学文化科学研究科地域文化学専攻(博士課程)院生。中国雲南省徳宏タイ族の音文化を中心とする研究に従事。雲南大学在学中から著名なフルス演奏家のエン・デーチュアン氏に師事し、演奏技術を習得。日本、タイ、中国で演奏活動もおこなっている。

 

定員:450名

参加料:無料(ただし、特別展・常設展をご覧になる方は観覧料が必要です。)

※本公演は申込み締切日を過ぎましたので、受付を終了いたします。

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