国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

イベント・ワークショップ

2019年2月11日(月・祝)
登美彦氏、『千一夜物語』に分け入る――西尾哲夫先生と探検するアラビアンナイトの世界 in 国立民族学博物館

「幻の本」を追い求め、物語の神秘的世界へと分け入っていく小説『熱帯』。

森見登美彦氏の最新作であり、謎めいた魅力を湛えた本作は、世界最大の奇書といわれる『千一夜物語』と大いに共鳴しています。

ともに読む者の心をざわめかせる両書物についてその魅惑の根源を探り、さらに楽しむために、アラビアンナイトをご専門とする西尾先生の力をお借りして、両書を存分に紐解いていきたいと思います。

とりわけ、実態が謎に包まれている『千一夜物語』について、そもそもどのようにして「発見」され、受容されてきたのか。発見者であり、西欧で『千一夜物語』を広めた張本人アントワーヌ・ガランとは果たしてどんな人物で、彼と『千一夜物語』の出会いは如何なるものであったのか。その後この物語はどんな数奇な運命を辿ることになったのか。

ひとびとの欲望に応える形で次々に「偽写本」が誕生し、さらに各地の翻訳者の想像力も入り込み、ひたすら“膨張”し続けた『千一夜物語』の正体について探求しながら、登美彦氏の創作の源泉にも迫っていきます。

  • 開催日:2019年2月11日(月・祝)
  • 開催時間:13:30~15:00(開場13:00)
  • 場所:国立民族学博物館 第5セミナー室
  • 参加無料/要事前申込/定員90名[全席指定]
    申込受付は終了いたしました。
 

出演

西尾哲夫(にしお てつお)

1958年、香川県生まれ。1987年京都大学大学院文学研究科博士課程修了。文学博士。言語学・アラブ研究専攻。アラブ遊牧民の言語文化の研究やアラビアンナイトをめぐる比較文明学研究に従事。東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手、助教授を歴任し、現在は国立民族学博物館・副館長。
主な著書に『世界史の中のアラビアンナイト』『アラビアンナイト――文明のはざまに生まれた物語』『図説アラビアンナイト』など。

森見登美彦(もりみ とみひこ)

1979年、奈良県生まれ。作家。京都大学農学部卒、同大学院農学研究科修士課程修了。2003年「太陽の塔」で第15回日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。07年『夜は短し歩けよ乙女』で第20回山本周五郎賞受賞。10年『ペンギン・ハイウェイ』で第31回日本SF大賞受賞。16年『夜行』で第156回直木賞候補に。
18年11月、これまでの集大成といえる大作『熱帯』を刊行。同作は第160回直木賞にもノミネートされている。

 

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