国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

夏休みインドネシア芸能ワークショップ

夏休みインドネシア芸能ワークショップ

音楽ワークショップ 2003年8月17日(日)

参加者41名 福岡正太(博物館民族学研究部助手)

 
インドネシアの地図
世界には、私たちが普段接している音楽とは大きく異なる発想で作りだされた音楽がたくさんあります。
たとえば、インドネシアの伝統音楽の基底に流れるリズム感は、日本の社会で暮らす私たちにはあまりなじみのないものです。
このワークショップでは、インドネシア西ジャワの音楽/舞踊クトゥック・ティルをとりあげ、その基本的リズムを体験しました。
楽器演奏や踊りを通して世界の音楽の多様性を身体で理解することができたでしょうか?
 
 


クトゥック・ティルとは?
インドネシアでは、スンダ人の生き生きとした躍動的な芸能がよく知られています。
クトゥック・ティルはそうした芸能のひとつで、スンダ人の民衆のあいだで楽しまれてきました。
もともと、3つ(ティル)の小型ゴング(クトゥック)を中心とした合奏音楽とそれを伴奏とした舞踊をさします。
 


わたしたちになじみ深いのは頭であわせるリズム。クトゥック・ティルのリズムはおしりであわせるリズム。
手拍子しながら「ジャワジャワバリバリ」もう頭から離れません。
 


ビデオも見ながら簡単な舞踊のパターンをやってみました。
「1、2、3、4、5、6、7、8」もちろんさっき覚えたインドネシア語で。
 


楽器を順番に演奏しました。
おしりでそろえるリズム、かけあうリズム、重なりあうリズム…。
 


使った楽器は、ゴング、ボナン、クンダン、クチュレ、クプラック
 


楽器と踊りとかけ声を合わせてやってみました。
クトゥック・ティルのリズムをマスター!
 
参加者の声

山下次郎さん
勉強になった☆です。
ラムリンさん
福岡さんがとてもわかりやすく説明してくれたので数字のいい方などおぼえられました。
佐倉真理子さん
楽しかった。「JAWAJAWA」がむずかしかった。
西村昌司さん
インドネシアのリズム構造が体感できました。
?カーナ★さん
日本なのにインドネシアに行った気分でした。おどりがおひめ様気分でした!
とても情熱的におどれた
百合ふつみさん
本物のダンス(インドネシア)の人がいたら良かったな。
大ちゃん
初めて色々な楽器にさわれて楽しかったです。
坂井田楓さん
自分でいろんな楽器をさわってならしたりした所が一番心に残った。
たいこたのしかった
ヒサトさん
普段あまり使うことのない楽器にふれることができてよかった。
日和道代さん
難しそうだと思っていた、踊り、楽器、やってみると楽しく、笑顔でできたかな?
インドネシアに行ってみたくなりました。
_さん
歌って踊って演奏してあっという間の2時間でした。
坂井田竜子さん
民族音楽・舞踊に対する考えが深まった気がします。これから諸外国の音楽にふれるのが楽しみです。
大森みつえさん
初めての参加でした。始めは堅苦しい感じがしたがだんだんうちとけてきて最後には楽器と踊りを皆で体験できてよかった。
あゆさん
楽しかった。インドネシアのおどりなどがよくわかった。
A.Iさん
ビデオを見たら同じことをやっていた。なので、本物を体験した!という感じがありました。
いろいろ知らないことがわかって興味深かったです。
佐藤賢治さん
とても良かったです。ありがとうございました。
おりんごちゃん・あやっこさん
楽しかった。
片岡典子さん
日頃体験できない事が実際に体験できてとても楽しかったです。
楽器を手で味わい、リズムの組み立てを習うことで、ガムランを次回目にしたりきいたりした時にずい分印象や理解が変わるだろうと楽しみです。
Miya-chan
子供には少し難しかった。
えいみさん
インドネシアの踊りや楽器のことがよくわかった。
?さん
人間は踊ることが好きな動物だと思った。

 
 

インドネシア語の数字
sa-tu
du-a
ti-ga
em-pat
li-ma
e-nam
tu-juh
delapan

クトゥック・ティルに使う楽器

ゴング
大きいほうをゴオン、小さいほうをクンプルとよびます。ゴオンは最も大事な節目となる拍でならされます。

ボナン
こぶのようなでっぱりをもつ小型ゴングです。それぞれのゴングは違う高さに調律してあります。

クンダン
太鼓。踊りの動きのひとつひとつに決まった太鼓のリズム・パターンがあります。

クチュレ
重なった金属板をバチでうつ楽器。クンダンと一緒に踊りの動きに合ったリズム・パターンを演奏します。

クプラック
竹筒から2枚の舌を切り出し、さらに両脇にスリットが入れてあります。手のひらやひざにうちつけると、ビーンという音がでます。
      
スタッフより
ball 参加してくださった皆さんありがとうございました。
音楽や芸能を理解するのは、まずやってみるのが1番だと思います。
またの機会にもぜひ積極的にご参加いただけたらと思います。<福岡正太>
ball モジモジしないで、どっぷりはまって楽しむのがワークショップのミソですね!?
スタッフにとってもワークショップは新しいこと、ひととの出会いがいっぱいです。
今日の出会いの1つは、リズムのとり方。
JAWA JAWA BALI BALIのリズムが頭の中から離れなくて、しばらくはついついうたってしまいそうです。<佐藤優香>
ball 映像を見ながら踊りを踊っていると、みんな段々その気(インドネシアの踊りっぽく)なっているのがわかった。
日本の盆踊りのようだったけれど、一体感があってよかった。
ball 楽器を演奏することを楽しんでいる人、踊りを楽しんでいる人、かけ声をかける人、それぞれに楽しみをみつけることができたようでよかったと思います。
かけ声や踊りは私も初めてだったのでとても楽しくできました。
ball サポートする側で参加させていただいたけれど、参加者の方々とまじって楽しめるワークショップでした。
会場の雰囲気が、リラックスしたみんなで楽しむムードがあって、踊りやかけ声、リズムのとり方、演奏などうまく進行していたと思う。
ball どれくらいのお手伝いができるのかたいへん不安でした。
観客のひとりとして楽しませていただきました。<藤田京子>
ball 音楽と踊りの両方があってよかった。
音楽から考えても、踊りから考えても両方あった方がそれぞれを理解しやすいと思う。
時間がもう少しあったら歌も歌ってみたい。<太陽の塔>
ball スタッフとして参加していたにもかかわらず、普段することのない踊りやかけ声に加わっているうち立場を忘れ真剣に楽しんでしまいました。
たまにはこういう風に自分を解放するのもいいかも(?)<J>