インド刺繍は、人々の日々の暮らしの中で育まれてきた工芸です。
国立民族学博物館は、インドの多様な染織工芸の支え手であり、貴重な布製品のコレクションをつくりあげたB.B.バシン氏の所蔵品の中から、グジャラート州を中心としたインド西部の刺繍布360点あまりを収集しました。このコレクションには、19世紀末から現代にいたるまでの作品が含まれています。
この企画展では、そこから約100点を精選し、技法や意匠の数々をご覧にいれるとともに、変動するインド社会にあって手仕事の伝統を継承する人々の営みをご紹介します。
刺繍1つ1つの繊細な技、鮮やかな色づかい、独特の意匠を通して、技を受け継ぐ人々の情念や、その暮らしのありさまに思いをはせていただければ幸いです。
国立民族学博物館 准教授 三尾 稔


