国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

海の生活

海の生活
東南アジアには陸の世界に匹敵する広大な海の世界が広がっている。東西交易の中継点として、この海域には古くから独自の海洋文化が花開き、国境や民族をこえた経済圏をかたちづくってきた。
東インドネシアに産する香料、ナマコなどの海産物を求めて、スラウェシ島のブギス、マカサルなどの航海民が、近隣の国々やヨーロッパの商人に混じって活躍してきた。彼らのすぐれた航海術や造船の技術をささえたのは、多島海に広がる漁民の文化である。
東南アジアの一つのイメージをかたちづくってきたのが農耕文化に代表される「陸の世界」だとすれば、多様な民族や文化が混じり合い、日々変貌をとげる現在の東南アジアのダイナミズムの源泉は、「海の世界」に見出すことができる。
家船
  • 資料番号TO 1170
  • バジャウ(サマ) サバ州 マレーシア
家船

マレー半島からインドネシア、フィリピン南部にいたる海岸部には、家船を住まいとして一定の海域を移動しながら漁撈(ぎょろう)や小規模の交易をおこなう人びとがいる。カリマンタン(ボルネオ)島北岸やスルー諸島に暮らすバジャウの家船レパは、特別な資格をもつ船大工の手でつくられ、舳先のつきだした独特の形式をそなえている。