国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

ワヤンの広場

ワヤンの広場
東南アジアの多様な芸能は、人びとの信仰と深くかかわり、儀礼と結びついて、それぞれ特徴ある表現の世界をかたちづくってきた。しかし、インド起源の物語『ラーマーヤナ』や『マハーバーラタ』が各地の芸能の題材となっているように、それらには共通点も少なくない。
ワヤンは、多くの地域様式をもつとともに、影絵人形芝居、木彫りの人形による芝居、人間が演じる芝居、仮面芝居などのさまざまな形をとっている。そして、ワヤンの上演には、多くの要素が複雑に織り込まれている。独特の形をもち、細かな彫刻と彩色がほどこされた人形、それがスクリーンにおとす影、人形つかいのわざ、語り、歌、楽器のひびき、それらとともに展開される物語など、こうした要素すべてがワヤンの世界をつくりあげている。 ワヤンのような伝統芸能は、現代の東南アジアにおいても、その重要性をうしなっていない。それらは、人びとの生活に彩りをあたえるとともに、しばしば、民族や国家の独自性を主張する重要な手段としても位置づけられている。

関連ページ:人形芝居ワークショップ マハーバーラタに登場する人形たち

ワヤン人形
  • 資料番号TO1972
  • ジャワ ジャワ島 インドネシア
ワヤン人形

影絵人形芝居ワヤン・クリットに使われる人形。スイギュウの皮でつくられている。ワヤン・クリットは、割礼や結婚などの人生儀礼にともない、夜から明け方にかけて上演されることがおおい。人形つかいダランは、ひとりで語り、歌い、人形をあやつるほか、手足で打楽器をならして伴奏音楽も指揮する。おもに、インド起源の物語マハーバーラタからのエピソードを演じる。

 
水上人形(獅子)
  • 資料番号TO2017
  • キン(ヴィエト) ホンハー(紅河)・デルタ ヴィエトナム
水上人形(獅子)

水上人形芝居に使われる人形。人形つかいは、池のなかにつくられた小屋のなかで水につかりながら、長い棹の先に取り付けた人形をあやつる。人形にはさまざまな仕掛けがほどこされており、小屋の前の水面で前後左右に移動しながら頭や手足を動かすほか、回転したり小屋の柱を登ったり火をふいたりする人形もある。

 
あやつり人形(鬼)
  • 資料番号TO2043
  • ビルマ マンダレー ミャンマー(ビルマ)
あやつり人形(鬼)

ミャンマーにおいて、あやつり人形(ビルマ語でヨウテー)は演劇や舞踊とならぶ由緒正しい古典芸能とみなされている。古典芸能のなかでも、ヨウテーは技術的にもむずかしいものとされる。かつては、仏教説話集『ジャータカ』などに題材をとった物語が、何日間もかけて演じられることがあったという。