国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「進化する映像」

あなたの決断
 今回、ここで紹介させていただいている映像は、以下のような危険を承知で、みんぱくに自分の映像を寄贈してもよいと覚悟した方々が、特別展「進化する映像」2階の「あなたの決断」コーナーにおいて自らを撮影されたものです。

観覧者が自ら撮影した映像をご覧になりたい方は下の画像をクリックして下さい。
映像を見る
 今回の特別展2階にあるこのコーナーは、観覧者のみなさんにあるメッセージを伝えるためにもうけられました。そのメッセージとは「知らない人に安易にカメラをむけてはいけません」というものです。映像人類学、映像記録は、「人」にカメラをむけることからはじまるように思えるでしょう。しかし、それ以前に最も重要なことがあります。それは、「あなたを撮影させていただいてもよろしいですか」と尋ねるこです。
 日本では、見ず知らずの人に安易にカメラをむける人をよくみかけます。しかし、そんな安易なことを海外ではしない方が賢明です。トラブルにまきこまれる可能性が高いということを認識しておいてください。それはなぜか?いろいろなことがその背景にはあるのですが、このコーナーでは映像に撮られるということがどういうことなのか考えてみましょう。

100年間の保存
 このコーナーで撮影された来館者の映像は、100年間みんぱくで保存します。ただし、その保存される映像をみんぱくは自由に使わせていただくという条件がついています。このページで公開している映像は、この条件を承知の上で撮影を承諾した方々です。
 みんぱくは公共の博物館だから変な目的に映像を使うはずがないから、心配する必要はなにもない。もしそんな風に考えるのなら、100年後の世界を想像してください。100年後、みんぱくは現在のような形で存在しているでしょうか?

危険な時代
 IT革命がとりざたされている現在、インターネットで流されている映像は、多くの危険にさらされています。インターネットで映像を流すとき、ひとつの決断が必要です。なぜなら、その映像は不正コピーされて、まったく関係のないところに転用されるかもしれないからです。あなたの顔が、あなたの知らないウェブページに掲載されるかもしれないのです。「有名になっていいや」という人もあるかもしれませんが、ある日突然、考えもしない反響が世界中から多量に、あなた個人に舞い込むこともあるのです。ひょっとしたら、海外旅行ではじめての国を歩いているにもかかわらず、見知らぬ人に指をさされて笑われるなどということもあるかもしれないのです。