国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「アチック・ミューゼアム・コレクション」

アチック・ミューゼアム
 
 「アチック・ミューゼアム」(Attic Museum)とは、渋沢敬三が自邸につくったプライベート・ミュージアムです。アチックとは直訳すると「屋根裏部屋」であり、この「アチック・ミューゼアム」“屋根裏部屋博物館”と名づけられた博物館は、東京・三田綱町の渋沢敬三邸内の物置や車庫の屋根裏にありました。ちなみに渋沢の家は、敷地面積2,000坪の大邸宅でした。

 この博物館は、1921(大正10)年に活動を開始し、1925(大正14)年、「アチック・ミューゼアム」が正式名称と決まります。はじめは郷土玩具が中心でしたが、後には生活資料である民具を研究対象として数多く収集するようになりました。それとともに収蔵スペースも手狭になり、それらの資料は研究スタッフとともに、1939(昭和14)年、敬三の寄付により建造された(1937年建造)日本民族学会附属研究所と附属博物館に引き継がれました。しかしその後も、「アチック・ミューゼアム」の活動は続けられ、庶民生活を明らかにするための数々の出版物を刊行し続けました。1942(昭和17)年に「日本常民文化研究所」と改名されますが、現在まで引き継がれています。