国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

特別展「ラッコとガラス玉」

ラッコとガラス玉
展示紹介
 

展示紹介

 クロテン、ラッコの毛皮がもつ光沢や肌触りのすばらしさは最高で、17世紀以降、世界的なマーケットのなかで高価に取り引きされるようになりました。そのため、これらの毛皮獣が多数棲息する北太平洋地域には、中国、ロシア、日本をはじめとする、国家の役人や軍隊あるいは商人たちが魅力ある毛皮を求めて広く進出しました。北太平洋地域の先住民は、毛皮と引き替えにガラス玉や絹布、鉄製の道具などを手に入れました。先住民はこれらの外来品と土地の素材を用いて独自のスタイルで、デザイン的にも美しい工芸芸術を発展させました。すなわちラッコの毛皮とガラス玉は、歴史的に北太平洋地域における先住民と外部世界との間でおこなわれた交易の象徴とみることができるのです。
 この特別展の目的は、北太平洋地域の先住民の人びとが決して狩猟や漁撈のみに明け暮れていたのではなく、交易船をたくみに操って遠くまで出かけた行動力のある交易者であったことを示すことです。


シトキ(首飾り)image

 北海道アイヌ。女性が首にかけて身を飾るとともに、イコロの一種として女性の財産でもあった。玉類は中国製や日本製が多い。
 

セッパ(鍔)image

 北海道アイヌ。刀の鍔として使われるだけでなく、儀礼の道具としても大切であった。イコロ(宝物)のひとつ。和人より入手。


シントコ(行器 ほかい)image

 北海道アイヌ。宝物として大切にされた。シントコは、屋内の宝物置き場に飾られ、その質や数によって富みを示した。穀物や漆器を入れたり、酒をかもす時にも使われる。和人より入手。
 

ウリチの壁掛けimage

 ロシア ハバロフスク州 ブラワ村
 

ニヴフの蝦夷錦を使った服の襟まわりimage

 ロシア サハリン州 ルプロワ村
 

ナナイの花嫁衣装image

 ロシア ハバロフスク州 コンドン村
 

チルカット・ブランケットimage

 アメリカ北西海岸先住民トリンギット。貴族階級のものがポトラッチ儀礼などの時に身につける儀礼用マントである。マントには動物の身体部位を示す幾何学紋様が左右対称にデザインされている。
 

クランハットimage

 アメリカ北西海岸先住民(民族名は不明)。貴族階級のものがポトラッチ儀礼などの時に頭に被る儀礼用の木製帽子である。ワシとシャチのデザインが描かれている。また、鳥の目にはアワビの貝殻がはめ込まれている。
 

額飾りimage

 アメリカ北西海岸先住民ハイダ。貴族階級のものがポトラッチ儀礼などの時に額につける装飾品である。飾りにはアワビの貝殻がはめ込まれている。色の鮮やかなアワビの貝殻はカリフォルニア産のものが多く、先住民交易によってクイーンシャーロット諸島まで運ばれてきた。