国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

企画展「みんぱく動物園」

みんぱく動物園

ようこそ「みんぱく動物園」へ



 「みんぱく動物園」は、世界各地の人びとが描(えが)き作ったさまざまな動物造形を、この主会場だけでなく、カードを使って本館展示場のいろいろな場所にまで広がって見、感じ、考えることができる展示です。
 動物園といっても、おもに陸にすみ、いくぶん大きい動物をおおく展示しています。ウシ、ゾウ、トラといった私たちになじみある動物から、ジャガー、ハイエナ、エランドといっためずらしい動物までふくんでいます。

 「みんぱく動物園」には2つの目標があります。1つ目は、世界各地の人びとによる多彩(たさい)な動物表現を楽しむことができる展覧会にすることです。
 こんな姿をしていてもゾウですか?とか、楽器にこんな風に動物を取りこんでいるんだ、というような、思いもつかなかった造形の方法に目を見はることになればいいなと願っています。

 2つ目の目標は、さまざまな動物と共に生きている私たちのくらしを考えることができる展覧会にすることです。
 世界各地で人びとはいろいろな動物を選び、いろいろな目的で利用しています。動物は人びとの食べ物となったり、仕事に使われたり、祭りや儀礼(ぎれい)に登場し、おもちゃやペットにもなって私たちのくらしのなかにいます。
 たとえばアメリカ大陸最大の猛獣(もうじゅう)であるジャガーは、その野獣(やじゅう)性や気高さのために権力の象徴(しょうちょう)となり、野生界の代表であり人間をこえた力を持つとされていて、メキシコの祭りの仮面に登場します。
 この展示をとおして、人びとが動物を表現する理由にも気をつけるきっかけになれば幸いです。

 展示場は、私たちに身近な学校の工作室をイメージしています。生きている動物を工作で表現することは理解の一つの形であり、私たちの理解する動物造形から、世界中の工作室(工作の現場)とそこで作られている工作の動物にも想像が広がっていくことを意図しています。
 また同時に、この展示では体験学習用のプログラムとしてカード型ワークシートと、新たな解説ツールとなりそうな携帯(けいたい)電話機を利用してのQRコード解説を試みています。

 夏休みの一日をみんぱくの動物たちとすごされてはいかがでしょうか。みなさんのお越しをお待ちしております。

切り絵ワタリガラス


切り絵クジラ


切り絵サル