国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

働くということ(2) ─ 自立する女性たち ─

異文化を学ぶ


モンゴルは旧ソ連に次ぎ世界で2番目に社会主義を採用した国で、男女共同参画という理念が普及している。男性が料理をするのも、女性だけが子育てをするわけではないのも、至極当然な社会になっている。女性にとっては「社会化」が総じて進められてきたと言ってよいだろう。

市場経済へ移行してからは、多くの女性たちが語学力を生かし、諸国際機関で働くようになった。そうした職場の給料は概して高い。が、その正確な金額を決して夫には言わず、その月給で家族ばかりでなく実家の両親や親類縁者をも養ってゆく。

そんなふうに活躍する女性たちを見て、男性たちは女性を支援する団体は多いのに男性を支援するNGOはなぜ無いのだろうか?と冗談まじりに嘆いている。

国立民族学博物館 小長谷有紀

毎日新聞夕刊(2006年6月14日)に掲載