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大阪の見えざる力

(1)注目のサード・セクター 『毎日新聞(夕刊)』掲載 2016年10月6日刊行

出口正之(国立民族学博物館教授)


「大阪コミュニティ財団」から助成を受けた大槻能楽堂での「夏休み 親子教室」=大阪市中央区で8月、森口ミツルさん撮影

 大阪の衰退が指摘されて久しい。政府と企業のうち、企業は大阪で頑張ろうと言われ続けてきたが、大企業の多くは東京へとシフトした。そこで、政府と企業という二元論から脱して、新たな媒体である「政府でも企業でもない」主体、サード・セクターから大阪のことを考えてみたい。すなわち、財団、社団、社会福祉施設、私立学校、病院、NPO法人などである。

 世間の耳目を集めてこなかった分野だけに、着目するとかえって面白い。例えば、「コミュニティ財団」は、一つの財団を住宅に例えるなら、マンションのような財団である。企業や個人の寄付による基金で運営される。財団を一から作るとなると大仕事だが、この財団があれば、寄付をするだけで、自分の名を財団に残すことができる。

 この種の財団は冷戦集結後、世界にジワジワ広がり、今では大都市にはたいてい存在するようになった。大阪のこのタイプの財団の正味財産は、東京と比べると実に100倍以上の規模となる。大阪が断然リードしている。7割が個人の寄付からなっている点も興味深い。大阪からだけではなく、全国から寄付の申し入れがあることが象徴的だ。

 大阪の副首都構想の議論で「サード・セクター」が注目された。見えづらいこの「サード・セクター」を紹介していきたい。

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