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パリの現代建築

(4)フィルハーモニー・ド・パリ 『毎日新聞(夕刊)』掲載 2017年2月2日刊行

園田直子(国立民族学博物館教授)


フィルハーモニー・ド・パリの外観=パリ19区で2016年9月、筆者撮影

パリで最近話題になっている現代建築は、19区、ラ・ヴィレット公園内のシテ・ド・ラ・ミュジック(音楽都市)の横に建てられたフィルハーモニー・ド・パリである。設計者ジャン・ヌーヴェルが、建物がまだ完成していないという理由で、2015年1月のオープニングをボイコットした話でも有名である。

パリ管弦楽団の新しい本拠地となったフィルハーモニー・ド・パリの建物は、アルミニウムでできた丘のような形で、その壁面には無数の鳥の飛翔が灰色の濃淡であらわされている。

モンマルトルの丘、ビュット・ショーモンにつぐパリ第3の丘というイメージで設計されたもので、その屋上からはパリ盆地北東のパノラマが広がる。

2400席の大コンサートホールは音響効果を最優先し、3万立方メートル以下の大きさに抑えたとのこと。客席は中央の舞台を取り囲むように配置され、指揮者までの距離はどこからでも32メートル以内という、親密な空間になっている。

パリでコンサートホールというと高級住宅地にあるサル・プレイエルが知られているが、郊外に近いこの地に音楽の殿堂ができたことで、より多くの人びとに音楽を楽しんでもらえる、と期待されている。

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