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「第52回アメリカニスト国際会議」への出席
齋藤晃
2006年7月16日~2006年7月23日 (スペイン)
2006年7月17日から21日までの5日間(旅行日程:7月16日から7月23日)、スペインのセビーリャ大学で第52回アメリカニスト国際会議に出席し、おもにスペイン領アメリカの歴史学に関するセッションに出席した。7月20日には、「スペイン支配下のアメリカにおける教会、王政、社会」という歴史学のセッションにおいて、「戦争と宣教-17・18世紀のチャルカス、モホス地方におけるイエズス会ミッションの捕食的拡張」と題するスペイン語報告を行った。
ラテンアメリカ研究に関連する近年の学術会議では、一方では国際政治や世界経済などのマクロなアプローチ、他方では環境や人権、教育などの応用型のアプローチが支配的だが、およそ130年の歴史を持つアメリカニスト国際会議では、研究の主眼はやすやすと変わらないらしい。1875年の第1回会議では、「民族学的、言語学的、歴史学的研究の進歩」が目標に掲げられていたが、それは本年度の会議にも当てはまる。セッション数を見ると、歴史学74、人類学52、考古学30、言語学25と、創設以来のディシプリンが圧倒的に強い。新参のディシプリンで健闘しているのは、経済・社会・政治・法律が38、民族社会運動・人権が21ぐらいである。旧態依然という見方もできるが、報告者はむしろ、堅固な学問的伝統に立脚した足腰の強さを感じさせられた。
参加者は4000人を超えていた。当然、セビーリャの旧市街は赤い学会バックを肩にかけた参加者であふれかえっていた。とはいえ、会議の進行はきわめて順調だった。セッションのキャンセルや会場の変更は少なく、大きな混乱もないまま、淡々と日程がこなされた。
報告者はおもにスペイン統治時代を扱う歴史学のセッションに出席したが、特筆すべき傾向として、
- 地理的範囲をラテンアメリカ、あるいはヨーロッパも含めた大西洋世界に設定したスケールの大きな研究が目立った。
- ヨーロッパ人/アメリカ先住民、支配/抵抗といった二項対立にとらわれず、地域・民族・階級・職業・ジェンダーなどの諸要素が絡み合った重層的な関係を浮き彫りにする洗練されたアプローチが目立った。
報告者が参加した、スペイン領アメリカのカトリック教会に関するセッションは、上記のふたつの特徴を備えた有意義な機会であった。国家と教会の関係、在俗聖職者と修道会聖職者の関係、司祭と教区民の関係などを、地域的特徴や時代的背景を考慮しながら多面的に考察したこのセッションは、期待通りの充実した内容だった。南米辺境地域のイエズス会ミッションに焦点を当てた報告者の報告もおおむね好評だった。







