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The 7th International Oceanic Linguistics Conference (第7回国際オセアニア言語学会)出席
菊澤律子
2007年6月30日~2007年7月7日 (ニューカレドニア(フランス領))
三年に一度、原則としてオセアニア言語が話されている地域で開催される国際学会である。今回は、フランスのCNRS-LACITOとニューカレドニア大学の協力で、初のフランス語圏での開催で、総発表数は70、現地参加者を含めて参加者100名というこれまでと比べて非常に大きな規模となった。毎日朝8時から夕方6時まで16論文というハード・スケジュールであったが、それでも全員の発表を聞くことができるようにパラレルセッションは組まない、というこの学会の伝統と原則が守られたのはよかった。会議では、プログラムなどの資料は二ヶ国語で準備され、発表は原則として英語、そこにフランス語の発表が入る形で進められた。
この学会には、オセアニア言語が話される地域で開催する、という原則があり、これは話者たちにオセアニア言語が研究対象として英語やフランス語などの大言語に劣らず貴重なものであるということを知ってもらい、自分たちの言語に対する認識を新たにしてもらうこと、また現地の学生に国際学会に参加し、自らも発表する機会をもってもらうこと、などの目的がある。今回の学会では、言語学者によるオセアニア諸言語の音韻構造や文法分析、史的変遷などに関する発表に加え、現地参加者から現地語による教育や現地語教育、関連政策に関する発表や、ニューカレドニア大学に属する「カナク」の学生たちによる発表もあり、現地開催の意義が大変よく生かされた会議となった。
今回とくに目だったのは、言語データの分析に関する発表に加え、コンピューター分析の応用に関する発表や、学際的な論考が比較的多かったことである。前者については、基本語彙の系統関係をコンピューターでクラスター分析をつかってはじきだすと現在の学説とどのていどの一致がみられるかみられないか、また、言語の記述において研究者の感覚にたよられるストレスやピッチといった特徴について、録音をコンピューターで分析したものに基づく分析などがみられた。パプア諸語の系統関係を類型論的な特徴の束を手がかりにクラスター分析するなど、比較の手法そのものの新しい試みもみられた。一方、後者については、とくにソロモン諸島においてこれまで言語学的に明らかな言語境界線がみられることが知られてきた地域について、最近の考古学など他分野における成果をまとめたり、紹介するという発表もあった。菊澤はオセアニア諸語の適用態の構文が、どのように上位祖語から発達したか、についての仮説を示した。
学会開催の6日間は天候にもめぐまれ、ホテルから学会会場までの海岸沿い徒歩15分の行き来は快適で、よい気分転換にもなった。
(写真上 参加人数が多く、すべてのセッションが講堂で行われた。)
(写真中 会場ロビーには現地でつくられるパンダナス製品の展示。休憩時間に。)
(写真下 会期中には、再建された伝統的タロイモ畑の見学も。)







