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「第7回 ロシア民族学人類学研究大会」への出席
佐々木史郎
2007年7月9日~2007年7月13日 (ロシア)セッション33「シベリア・極東ロシアの民族学」
(写真 大会会場)
「ロシア民族学人類学研究大会」とは、ロシア民族学人類学協会とロシア科学アカデミー民族学人類学研究所が主催する全ロシアレベルの学会です。ただし実際にはロシア以外の参加者もいて、事実上国際大会であり、また、実行委員会もそれをめざしています。大体2年から3年に1回のペースで開催しており、前回(第6回2005年)はサンクト・ペテルブルクで実施されました。今回は連邦を構成する民族共和国の一つ、モドヴィヤ共和国の首都サランスクで、7月9日から13日の5日間の予定で開催されました。
(写真 セッションの報告者たち)
私が参加したのは、ウラジオストークの歴史学考古学民族研究所の民族学者が主催する「極東シベリアの民族学」というセッションです。このセッションは、7月12日に開催され、そこでAn Examination on Manchurian brides among the peoples on the Lower Amur basinsという報告を行いました。アムール川下流域の先住民族の間に見られる満洲、中国からきた花嫁あるいは中国人召使いの伝承は歴史的事実で、それがこの社会にどのような影響と効果を及ぼしたのかという問題をあつかいました。満洲語や漢文で書かれたロシア側の研究者にはアクセスできない資料を使い、それまで彼らには知られていなかった新しい事実を掘り起こしたために、どう理解して良いかとまどったようでもありましたが、ウラジオストークの研究者からは、先住民社会における満洲、中国出身の花嫁の地位についての質問もでました。
(写真 村での歓迎会)

(写真 村の学校)
研究大会そのものは日本の学会の研究大会と同じで、セッションごとに研究報告がなされる形式でしたが、セッションの質は千差万別でした1000を超える応募と報告要旨が集まりましたが、実際に参加して、報告をしたのは400名ほどといわれています。申請者が参加したセッションも20名ほどが聴講し、報告者は6名でしたが、各報告に活発な質疑応答がおこなわれました。
最終日7月13日にはモルドヴィヤ共和国の農村を見学するエクスカーションがあり、モドヴィヤの人々(モクシャ、エルジャと呼ばれる)との交流が行われました。
今回のロシアでの研究報告によって、日本におけるシベリア・極東ロシアの先住民族社会研究の一端をロシアの研究者に示すことができました。次回は2009年にアストラハンで実施される予定です。今後もロシアを研究対象とする日本の人類学者・民族学者・民俗学者が参加して、自らの研究をロシアの研究者に紹介しつつ、研究対象に対して共通の議論の基盤を形成していくのが望ましいでしょう。
(写真 サランスクの中心部にある教会)







