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国際伝統音楽評議会(ICTM)「音楽とマイノリティ」研究グループ、 第5回国際研究大会における民博映像番組の上映とディスカッション
寺田吉孝
2008年5月24日~2008年5月31日 (チェコ共和国)
国際伝統音楽評議会は世界最大規模の音楽・芸能学会であり、傘下にある12の研究グループが各々隔年に国際大会を開催している。「音楽とマイノリティ」研究グループの大会は、今回で5回目を迎え、初日の基調講演(講演者病気欠席のため代読)に続いて、研究発表54件、パネルディスカッション2件、映像番組上映3件が行われた。研究発表は、本大会の3つのテーマに即して17のセッションに編成され、その内訳は「文化政策」(4.5)、「表象」(5.5)、「ロマ」(7)であった。「文化政策」、「表象」のセッションにもロマに関する発表が相当数あり、全体として半分近くの発表がロマに関するものであった。研究グループ設立以来、ロマ研究がその活動の中心となってきたが、この傾向は今回も続いたといえる。しかしながら、他地域の事例報告も回を重ねるたびに増えており、今大会では初めてヨーロッパ以外の音楽に関するパネルディスカッション(東南アジアのマイノリティ)が組織されたり、また次回の大会開催の候補地としてベトナムが提案されるなど、研究グループの活動を地域的にも広げる動きがみられた。
寺田が上映会を行ったDrumming out a Message: Eisa and Okinawan Diaspora in Japanは、大阪に住む沖縄人の音楽・芸能活動を、彼らがおかれた社会状況との関連から描いた作品である。当事者の声を出来るだけ直接伝えるために、ナレーションを用いずかれらの語りがそれに準じる役割を果たすように番組を構成した。また、インタビューにおける語りの曖昧さ・重複はあえてそのまま残し、見るものに解釈をゆだねる方法をとった。このような構成・手法は参加者から概ね好意的な評価が得られたが、字幕の使い方、インタビューにおける沈黙の活用などに関する興味深い提案があった。上映された他の2本の映像番組は、いずれも外部からのアクセスが難しいマイノリティの音楽・舞踊を記録している点で貴重な資料であると考えられるが、市販されていないため入手が難しく活用方法に問題が残った。







