国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

韓国文化人類学会創立50周年記念国際学術大会「超競争時代の文化と人類学」

朝倉敏夫

2008年11月13日~2008年11月16日 (韓国)

セッション:「日本人類学界における韓国研究――国立民族学博物館を基盤機関とする総合研究大学院大学の研究を中心に」

セッション発表の概要と目的および意義に言及しつつ、日本における韓国研究の具体的な進行経緯について、人類学史研究の立場からフル・ペーパーの学会発表をした。 論旨は四点に整理できる。第一に、総合研究大学院大学(以下、「総研大」)の設立趣旨や組織概要と、そのなかにおける韓国研究関連の教育研究活動を説明した。総研大に学び、人類学的に韓国研究を行った5名は、いずれも本館に設置された二専攻のどちらかに属していた。この5名すべてが本セッションを行ったため、これらの説明によりセッションの枠組を聴衆に伝えることが出来た。

第二に、総研大での大学院教育とは別に本館で進められてきた韓国研究について説明した。ここでは、歴代の専任教員についての説明とともに、韓国研究に関する共同研究やその成果物、展示や国際シンポジウムの概略も整理し、日本人類学会における韓国研究のセンターとしての本館の位置づけを明らかにした。また、韓国から招へいした歴代の外国人客員教員および外来研究員も列記し、研究者のための国際協力センターとしての本館の位置付けも明らかにした。

第三に、日本人類学会における韓国研究の諸般コミュニティーについて説明した。学会や研究会組織それらの機関誌、大学の専攻組織や附設研究所について整理した。これらを説明するためには、総研大出身者や本館教員の研究活動も重要な部分として登場した。この説明により、日本人類学会の韓国研究において本館が果たしてきた間接的な役割も伝達できた。

上記の三点の発表により、本館の共同研究「人類学における韓国研究の再検討─日韓の新しい研究協力関係の構築」がどのようなもので、どのようなメンバーによって行われてきたかが明らかとなった。そこで第四に、この共同研究の趣旨と成果を総論的に報告した。総研大出身者でもある共同研究者たちが各論をくり広げる前に、適切な総論説明が出来たものと考えられる。