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第53回国際アメリカニスト会議での研究発表
関雄二
2009年7月18日~2009年7月22日 (メキシコ)セッション:文明形成と文化発展過程におけるその卓越性
報告者が属したラウンド・テーブルでは、日本、イギリス、スペイン、チリ、ペルーの研究者によるペルー南部高地、北部高地、南部海岸での最新の発掘成果のほか、祭祀建造物の石造装飾の分析理論、食性解析、さらには先スペイン期にさかのぼる灌漑技術の復元による社会開発プログラムなど、多岐にわたる発表が行われた。
報告者は、ここ30年の間手がけてきたペルー北高地の3ヶ所の祭祀遺跡の特徴を比較し、形成期(前2500年~紀元前後)における権力構造が地域ごとに異なる点を指摘した。具体的には、自発的な社会参加を基盤とし、祭祀建造物を建築、更新していく社会発展モードと、遠距離交易によって奢侈品を入手していくことに重きを置く社会発展モードとが並存し、後者の方が、限定的にせよ社会階層の出現など複合社会化に向かっていく傾向が強いことを示した。
これに対して、権力者とそれに従属する人々との関係を考古学的に把握する方法、それに関するデータの有無、社会変化と古環境との関係などに質問とコメントが集中したが、いずれも好意的な発言であり、国際的な場で一定の評価が与えられたと考えられる。
また最終討論では、欠席したラウンド・テーブル主宰者が近年積極的に使用しつつある文明や都市の起源という表現の問題点、アンデス考古学にフェミニズムの観点を導入する必要性、考古学における技術伝達の意味などが指摘され、各自のフィールドに基づいた意見交換が行われた。討論は3時間以上にわたり、白熱したものとなり、実に有益であった。







