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第9回ロシア民族学人類学研究大会 シンポジウム5「文化遺産とエスノポリティクスの過程」 セクション1「文化遺産と現代のアイデンティティ」 報告「カラフトアイヌにおける文化資源と民族アイデンティティ」
佐々木史郎
2011年7月3日~2011年7月10日 (ロシア)本学会は発表申請数では800本、実質報告数は350本の大規模なものだった。参加者もロシアからだけでなく、旧ソ連の領域(バルト三国、コーカサス諸国、中央アジア諸国)からも多数あり、さらに海外からもアメリカ、中国、モンゴル、チェコ、ハンガリー、フィンランドからもあった。日本からは報告者1人だけだった。
報告者が研究報告を行ったセッションは多民族国家ロシアの最もホットな話題である民族間関係とエスニシティの問題を扱うもので、会場での出入りはあったが、延べ100人以上の人の傍聴があった。報告者の行ったサハリンのカラフトアイヌのアイデンティティに関する報告に対しては、アイヌの人々の最新の動向を知ることができたという感想と、アイヌを世界の先住民族としてだけでなくロシアの中の民族問題としても捉える必要があることに気づかされたという感想を得ることができた。
報告者自身は、このセッションでロシアの民族問題が、我々が知るオーストラリアやアメリカ、カナダなどとは大きく異なり、より複雑で根が深いことを知ることができた。ロシア国内における民族問題の特徴として顕著に見えたのは、ロシアの最大勢力であるロシア民族が、中国の漢民族、アメリカのWAPs、オーストラリアの「白人」などと異なり、「圧倒的多数派」になりきれず、他の有力民族と対等な一民族にすぎなかったばかりか、他の民族に比べるとその範囲が茫漠としているという点だった。これは、ロシア人がソ連崩壊後常にロシア文化とロシア民族のアイデンティティこだわり続けていることを理解する上で非常に大事な点である。







