国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

広西民族博物館とアセアン10か国博物館との交流と協力

塚田誠之

2011年10月19日 (中国)

フォーラムでは、中国文物局の局長による基調講演、アセアン代表の秘書長(インドネシア)による挨拶を皮切りに、アセアン諸国から8名、日本からは申請者が、そして中国国内の博物館を代表して4名、さらに広西壮族自治区文化庁長が講演を行い、したがってのべ16名がそれぞれ講演を行った。ブルネイ代表が文化産業の開発にふれた以外は、ほぼ博物館の運営状況や展示、観客への様々なサーヴィス、他博物館との交流の紹介が主な内容であった。

申請者は国立民族学博物館における常設展示の新構築に際しての理念と実践・展望について、新構築を終えたアフリカ展示・オセアニア展示・アメリカ展示などの事例を通じて、フォーラムとしての展示、「グローカル」現象の重視、世界との関わり、歴史的連続性、人々の生活に関するヴィヴィッドな提示などを中心に論じた。さらにそれら理念を中国展示にどのように活かしていくかといった点、たとえば歴史的連続性の提示について四合院建築模型を活かして展示する方向性、高床式住居の部分的復元についてかつて行った特展の際に中国側とも議論をしたこと、華僑華人の展示が世界との接点となるであろうことが主要な論点であった。

申請者の提示した論点は、いずれもアセアン諸国や中国の他の多くの博物館に先んじた試みで、多くの参加者の注目を集めた。

くわえて、アセアン諸国・中国の博物館関係者と意見交換を、限られた時間であったができるだけ積極的に行った。こうした活動を通じて、アセアンや中国の博物館関係者との交流関係を一層発展させることができ、アジア諸国間における国立民族学博物館の地位の更なる向上に重要な作用を及ぼすものとなった。