国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2017年11月17日(金)
みんぱく公開講演会「料理と人間―食から成熟社会を問いなおす」

チラシダウンロード[PDF:2.8MB]

  • 日 時:2017年11月17日(金)
        18:30 - 20:40(開場17:30)
  • 場 所:日経ホール
       (東京都千代田区大手町1-3-7日経ビル3F)
  • 主 催:国立民族学博物館、日本経済新聞社
  • 定 員:600名(先着順)
  • 参加費:無料(要事前申込)
  • ☆手話通訳あり
  • 申込方法:
    ※申込フォーム、往復ハガキでの受付は終了しました。
    ※まだお席に余裕がございますので参加希望の場合は当日会場にお越しいただき受付でその旨お申し出ください。
 

趣旨

「料理」は人類によってのみ行われる行為であり、人類の発明でもあります。料理は摂取する食料の種類や量、組み合わせを増大させ、それに必要な技術、技巧を生み出し、「作る人」、「食べる人」といった社会関係をも構築させました。料理は人間の食生活を豊かにし、食文化を支えてきた人類の財産である一方で、環境に負荷をかける食料生産、格差社会の具現化、可視化にも深く関わってきました。
本講演会では、「料理」を「自然資源から生態資源を認識し、それらを計画的に収奪し、目的にあわせた食料資源の消費を行う一連の行為」として定義するとともに、それらが世代を越えて継承される文化装置としてとらえ、文化と文明の境界面に存在する料理が人間にとってどのような意味を有してきたのかを考えます。

プログラム

総合司会 福岡正太(国立民族学博物館准教授)

17:30 - 18:30 受付  
18:30 - 18:35
(5分)
開会 品田卓(日本経済新聞社執行役員・大阪本社編集局長)
18:35 - 18:40
(5分)
挨拶 吉田憲司(国立民族学博物館長)
18:40 - 18:50
(10分)
概要説明 「文明と文化のはざまの料理」
野林厚志(国立民族学博物館教授)
18:50 - 19:20
(30分)
講演1 「ポスト食遷移と新たなフードシステムの可能性」
中嶋康博(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
19:20 - 19:50
(30分)
講演2 「イタリア料理からみるグローバル、ナショナル、ローカル」
宇田川妙子(国立民族学博物館准教授)
19:50 - 20:05
(15分)
休憩  
20:05 - 20:40
(35分)
パネルディスカッション 中嶋康博×宇田川妙子×野林厚志
 

概要説明「文明と文化のはざまの料理」

野林厚志(国立民族学博物館教授)

増加していく世界の人口を支えるための食料生産の仕組みと、そうした食環境のもとで行われる食事のありかたは、文明と文化がつながる将来的課題である。生態資源の利用、共食や分配等の社会的機能、味や食感を伝える調理の技術等、食に関わる様々な要素を考えながら、文明と文化の境界面としての料理を考える。

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<講師紹介>

人間と他の動物との関係を、民族考古学、生業研究、物質文化論を通して探究している。近年では、現生人類の特徴としての道具作りと料理に焦点をあてた調査、研究を行っている。著書に『タイワンイノシシを追う』(2014年、臨川書店)『台湾原住民族研究の射程』(2014年、順益台湾原住民博物館)などがある。

 

講演内容

講演1「ポスト食遷移と新たなフードシステムの可能性」

中嶋康博(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)

第二次大戦後、人類は、人口の激増、急速な経済成長、都市化による人口偏在を背景に、「食遷移」と流通システムの大変革を経験することになった。しかし世紀末を境に、世界のあちこちで人口、経済、都市化をめぐる事情が大きく変容し始めていて、社会は新たな食のあり方を模索しつつある。環境・倫理問題も踏まえながら、これからの食をポスト食遷移と新たなフードシステムの視点から展望したい。

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<講師紹介>

農業経済学、フードシステム論。わが国の農と食のシステムについて経済学的研究を行ってきた。最近では食の安全と信頼問題について産官学連携のフードシステム研究を進めている。著書に『食品安全問題の経済分析』(2004年、日本経済評論社)、編著に『食の経済』(2011年、ドメス出版)、共著に『フードシステムの経済学』(2015年、医歯薬出版)など。

 

講演2「イタリア料理からみるグローバル、ナショナル、ローカル」

宇田川妙子(国立民族学博物館准教授)

料理は文化的なものだが、国や市場などの思惑も関与し、意味や形を変化させてきた。世界的に知られるイタリア料理もその一つであり、現在はスローフードや地中海料理などの言葉とともに注目されている。では、イタリア人自身は実際に料理とどう向き合い、それを通して自らの社会文化とどう関わってきたのか。食と社会文化の密接な関係と、その意義について考える。

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<講師紹介>

文化人類学、ジェンダー研究。イタリアの民族誌的調査をもとに、家族・親族やジェンダーをはじめ、近年では市民活動や食の問題にも関心を広げている。著書に『城壁内からみるイタリア』(2015年、臨川書店)、編著に『仕事の人類学』(2016年、世界思想社)、『ジェンダー人類学を読む』(2007年、世界思想社)など。

 
 

地図

日経ホール(東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル3階)
詳しくはこちら(日経ホールホームページ)

 

 

[地下鉄]
東京メトロ

  • 千代田線  「大手町駅」神田橋方面改札より徒歩約2分
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都営地下鉄

  • 三田線   「大手町駅」大手町方面改札より徒歩約6分

地下鉄「大手町駅」下車C2b出口直結

 

申込方法

※申込フォーム、往復ハガキでの受付は終了しました。
※まだお席に余裕がございますので参加希望の場合は当日会場にお越しいただき受付でその旨お申し出ください。
 

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