国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2011年8月16日(火) ~8月17日(水)
《機関研究成果公開》国際シンポジウム「植民地期南米辺境における在来の伝統とミッション文化―比較の展望へ向けて」

  • 日時:2011年8月16日(火)~8月17日(水)
  • 場所:サルタ州会館(ブエノスアイレス、アルゼンチン)
  • 言語:スペイン語 ・ポルトガル語
  • 主催:国立サン・マルティン大学社会科学高等研究所、国立民族学博物館
  • 後援:サルタ州会館、国立科学技術研究審議会、国立科学振興会
  • 実行委員長:ギジェルモ・ウィルデ、齋藤 晃
  • プログラムダウンロード[PDF:4.48MB]
 

趣旨

16世紀初めから19世紀初めまで続いたスペインによる植民地統治は、南米の先住民社会を大きく変えたが、スペインが実施した諸政策のうち、集住政策ほど甚大かつ長期にわたる影響を及ぼしたものはない。広範囲に分散する小規模な集落を、計画的に造られた大きな町に統合するこの政策は、植民地全土で実施されたが、在来の居住形態、社会組織、権力関係、アイデンティティを変革し、今日の先住民共同体の基盤を築いたと考えられる。

本シンポジウムでは、集住政策の一形態であるミッション建設に焦点を当て、先住民社会へのその影響を地域間比較を通じて解明する。ミッションとは、植民地の中核地域であるアンデスの支配が確立した16世紀末以降、アマゾンやラプラタなどの辺境地域でカトリックの修道会が建設した先住民の町を指す。南米におけるミッション建設、とりわけラプラタにおけるイエズス会のそれは、理想社会建設の実験として研究者の注目を集めてきたが、先住民への影響については、未知の部分が多い。シンポジウムでは、ラプラタに加えてアマゾン、チャコ、チリの事例も検討し、共通点と相違点を浮き彫りにし、ミッション建設の歴史的意義を究明する。

シンポジウムのウェブサイト(スペイン語)

http://www.r.minpaku.ac.jp/reducciones/activi02.html