国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2013年12月1日(日)
《機関研究成果公開》みんぱくセミナー 暮らしの中の言語学「ことばの機能障害と言語学」

  • 日時:2013年12月1日(日) 13:00~17:00(受付開始12:30~)
  • 場所:日本財団ホール(東京)
    アクセスについてはこちら(日本財団ホームページ)
  • 一般公開(参加無料/申込不要 *当日会場でご記名をお願いします)
  • 言語:日本語、日本手話(日英同時通訳あり)
  • 主催:国立民族学博物館
  • 助成・協力:公益財団法人 日本財団

2004年7月、聴覚障害者で手話話者である大矢貴美江さんが交通事故で重傷を負い、利き手の変形および機能障害を負いました。現在の法律では、言語に関する障害等級認定基準は音声言語のみが対象となっており、手話言語について詳細を定めたものがありません。裁判所の判定は、「意思疎通が可能かどうか、手話能力がどの程度失われているのかを中心に個別的に判断するのが相当」、大矢さんの事例については「意思疎通ができており、著しい障害とまで認めることができない」というものでした。

もし、手話言語に関する障害等級認定基準が整備されていたら、大矢さんの手話の障害はどのように認定されていたのでしょうか? 本セミナーでは、障害者等級認定基準に取り上げられている音声言語のひとつひとつの特徴が手話言語においては何に相当するのか、言語学的に考察します。日本語話者のみなさんにも、日本手話話者のみなさんにも、言葉を話すときの自分の口や手の動きや形を観察しながら聞いてみていただければと思っています。

講演 原大介(豊田工業大学[手話言語学])
コメント 市田泰弘(国立障害者リハビリテーションセンター学院/国立民族学博物館[手話言語学])
那須川訓也(東北学院大学[音声言語学・音韻論])
藤原百合(聖隷クリストファー大学[言語聴覚療法学])
籔之内寛(弁護士法人サリュ大宮事務所[弁護士])
ディスカッサント スーザン・フィッシャー(ニューヨーク市立大学/国立民族学博物館[手話言語学])
コーディネーター・司会 菊澤律子(国立民族学博物館/総合研究大学院大学[言語学])

プログラム

12:30~13:00 受付
13:00~13:05 ごあいさつ
菊澤律子(国立民族学博物館/総合大学院大学)
13:05~14:05 「交通事故手話裁判と手話言語学」
原大介(豊田工業大学)
14:05~14:30 休憩(質問回収)
14:30~14:45 「話しことばの障害とその評価」
藤原百合(聖隷クリストファー大学)
14:45~15:00 「言語機能と聴覚・視覚チャンネル(=伝達経路)の関係について」
那須川訓也(東北学院大学)
15:00~15:15 「手話言語学の音韻論の視点から」
市田泰弘(国立障害者リハビリテーションセンター学院/国立民族学博物館)
15:15~15:30 「自賠責後遺障害等級認定基準の運用と裁判」
籔之内寛(弁護士法人サリュ大宮事務所)
15:30~16:00 休憩(質問回収)
16:00~17:00 パネルディスカッション
司会:菊澤律子
ディスカッサント:市田泰弘、那須川訓也、原大介、スーザン・フィッシャー、藤原百合、籔之内寛

※一般参加者の方からの質問やコメントは、休み時間中に質問用紙(日本語もしくは英語)およびビデオ撮影(日本手話)で受け付けます。

 

FAQ

セミナー当日に一般参加者の方からいただいたご質問やご意見などに対するご回答を掲載しています。(いただいたご質問は、編集せずそのまま掲載していますので、重複があります。)

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