国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

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2014年1月18日(土)
《機関研究成果公開》公開フォーラム「負の文化遺産の保存と展示をめぐって」

原爆ドーム(広島市)
  • 日時:2014年1月18日(土)13:00~19:00
  • 場所:千里朝日阪急ビル第1会議室(大阪府豊中市新千里東町1-5-3, 06-6873-2608)
    アクセスについてはこちら(千里朝日阪急ビルホームページ)
  • 一般公開(参加無料/申込不要[先着順]/定員45名)
  • お問い合わせ:国立民族学博物館 竹沢尚一郎研究室
    E-mail:takezawa★idc.minpaku.ac.jp
    ※★を@に置き換えて送信ください。
 

趣旨


東日本大震災で打ちあがった船(気仙沼市)
負の文化遺産と呼ぶものは、戦災の遺構や震災の遺構など、カタストロフが生じたあとに残され、多くの人びとに負の記憶を残している遺産を指す。ユネスコに登録されている世界遺産のうちにも、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所や広島の原爆ドームなど、負の遺産がかなりの数存在する。これらの保存をめぐっては、反対運動が生じることもしばしばあり、多くの議論を呼んできた。
今回の公開フォーラムでは、広島の原爆ドームの保存に関わる歴史的経緯と、地域社会のなかに葛藤を生み出している東日本大震災の遺構を取り上げて検討する淵ノ上さんは、広島の原爆ドーム等の戦災遺構の保存が、戦後どのような紆余曲折をたどったのか、またそこにはどのようなシンボリズムが込められてきたのか、についてお話しくださる予定です。佐々木さんと竹沢は、保存か解体かで大きな議論を呼んでいる東日本大震災で被災した複数の震災遺構の現状について話すと同時に、その保存の必要性をどのように論理化するか、その可能性について検討します。
歴史的であると同時にアクチュアルであり、災害と記憶、個と共同体、出来事とその解釈など、広がりのあるテーマについて議論をおこないたいと思います。
どうぞふるってご参加下さい。
この公開フォーラムは、総合研究大学院大学の学融合プロジェクトと共催します。

発表者

淵ノ上英樹(立命館アジア太平洋大学)
「モニュメントと復興:レジリエンスの観点からの遺構問題」
佐々木健(大槌町役場生涯学習課)・竹沢尚一郎(国立民族学博物館・総合研究大学院大学)
「震災遺構の現在:トラウマを保持することの困難と可能性」
総合討論