国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2010年2月27日(土) ~2月28日(日)
人間文化研究機構連携研究公開シンポジウム「ユーラシアと日本:交流と表象の総括と課題」
人間文化研究機構連携研究「ユーラシアと日本:交流と表象」班

ユーラシア大陸の諸国家・諸民族社会と日本との歴史的な交流は、交易、人の移動、技術や文化面での相互作用など広範な範囲に及んだ。本連携研究は、ユーラシアと日本の相互交流に関する諸問題について、ユーラシア大陸にまたがる広大な地域を視野に入れ、「交流」「権力システム」「表象」の3つを共有テーマとし、19~20世紀を共通で議論する時代とし、総合的な議論と比較研究を進めてきた。本国際シンポジウムは、広大な地域を舞台とし、既存の学問分野を越えて、新しい歴史分析を目指して5年間にわたって行ってきた研究において得られた成果と課題について討議をする。アメリカ・韓国からの3名の研究者をも加えて、班員が一堂に会して成果を確認するとともに、今後の課題として残された諸問題を議論し、新たな人間文化研究への道筋を展望する。

  • 日時:2010年2月27日(土)~2月28日(日)
  • 場所:国立民族学博物館 第4セミナー室
  • 主催:大学共同利用機関法人 人間文化研究機構
  • 参加方法:自由参加・申込不要(人間文化研究機構に属する各機関の研究者に公開しています。)
  • チラシダウンロード[PDF:963KB]

プログラム

2月27日(土)総合司会:塚田誠之(国立民族学博物館)
13:00~13:30 挨拶と総括
  開会挨拶:須藤健一(国立民族学博物館長)
  総括:久留島浩(国立歴史民俗博物館)
  「機構連携研究「ユーラシアと日本:交流と表象」の4年半の軌跡―これからの機構連携研究への申し送り」
13:30~14:30 「古代東アジアにおける対外交流と文化受容の比較研究」班
  上野祥史(国立歴史民俗博物館)
  「古代東アジアにおける対外交流と文化受容の比較研究―境界という視点―」
14:30~14:40 休憩
14:40~15:40 「日本周辺海域における物資と情報の往来」班
  佐々木史郎(国立民族学博物館)
  「東アジアの民族的世界―近代以前における多文化的状況と相互認識」
  加藤雄三(総合地球環境学研究所)
  「南と北の「日本」をめぐって―交易(前近代)班の論点―」
15:40~16:40 「中国南北の国境地域における人の移動と交流、および国家政策」班
  塚田誠之(国立民族学博物館)
  「中国南北の国境地域における人の移動と交流、および国家政策」の成果と課題」
  楊海英(静岡大学)
  「「救々文化」から「破壊力」の究明へ―国立民族学博物館刊行物における「中国研究」から今後の方向を考える」
2月28日(日)総合司会:佐々木史郎(国立民族学博物館)
9:00~10:00 「移民史の比較研究」班
  今泉裕美子(法政大)
  「日本の敗戦による「引揚げ」と地域社会-東アジア、太平洋地域を対象として」
  榮野川敦(沖縄県うるま市教育委員会)
  「第二次世界大戦で生じた沖縄出身者の引揚げ」
10:00~11:00 「国民国家の比較史的研究」班
 「国民国家比較史研究の成果と課題」
  総括:趙景達(千葉大)
  コメント1:須田努(明治大)
  コメント2:原山浩介(国立歴史民俗博物館)
11:00~12:00 「人間の移動から見た国民国家」班
 「移民の問題から国民国家を考える」
  竹沢尚一郎(国立民族学博物館)「「移民と国民国家」班の活動内容」
  李仁子(東北大)「国際結婚移住者と地域コミュニティ―嫁は地域の人材たり得るか」
  工藤正子(京都女子大)「在日ムスリム家族のトランスナショナルな居場所の構築―パキスタン人と日本人女性の夫婦の事例から―」
13:00~14:00 「ユーラシアにおける音楽・芸能の交流とイメージ」班
  寺田吉孝(国立民族学博物館)「研究の総括と今後の展望」
  笹原亮二(国立民族学博物館)「他者を演じる身体の諸相―南九州・奄美における琉球系・ヤマト系民俗芸能を巡って―」
14:00~15:00 「唱導文化の比較研究」班
  小池淳一(国立歴史民俗博物館)
  「宗教知識の唱導資源化過程―福島県会津地方における修験道と陰陽道―」
  コメント:久野俊彦(栃木県立栃木翔南高)
15:00~15:15 休憩
15:15~16:45 全体討論
16:45~17:00 総括:塚田誠之(国立民族学博物館)