国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
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研究会・シンポジウム・学会などのお知らせ

2017年8月28日(月)~9月2日(土)
国際ワークショップ「博物館とディセンダントコミュニティおよびソースコミュニティとの協働――米国ニューメキシコ州Mimbres遺跡出土資料熟覧と遺跡実見を介したアート作品制作と展示計画」

人間文化研究機構基幹研究プロジェクト 科研費

 

趣旨

本ワークショップでは、米国ニューメキシコ州南部のミンブレス遺跡から出土した土器に注目し、ソースコミュニティおよびディセンダントコミュニティとしてホピとサンタ・クララの二つの民族集団から5名程度のアーティストと共に協働調査を行う。彼らをニューメキシコ州立大学附属博物館(ラスクルーセス)とジェロニモ・スプリングス博物館(トゥルース・オア・コンシークェンシズ)の二つの博物館に招聘し、収蔵する合計約40点の土器資料の熟覧を行う。また、博物館収蔵庫内での作業ばかりではなく、土器が出土した遺跡を実際に訪問することで、土器の意匠として描かれることの多い動物や、その地域だけに自生する植物や素材となる粘土を含め、文化的景観の把握と理解に努める。さらに、資料や遺跡訪問を介して得られたインスピレーションを基に、後日各自の自宅工房などでアート作品の制作も行ってもらう予定である。制作される作品、本ワークショップの映像記録、熟覧対象となる土器資料を中心として展示する展示会を2018年10月頃にニューメキシコ州立大学附属博物館で開催する。
国立民族学博物館のフォーラム型情報ミュージアムプロジェクトでは、2014年度から民族誌資料を収蔵する博物館とソースコミュニティとの「再会」を促してきた。「再会」の実現によって、熟覧者は個々の資料に関する制作上の技術、素材、使用方法やその時代変遷だけでなく、制作者に関する情報や、家族史、コミュニティ史といった観点に基づく語りを披露した。博物館側は一次資料に関する膨大な二次資料としての資料情報を蓄積することができ、そうした語り自体も貴重な映像資料(一次資料)として収集することが可能となった。一方で、熟覧者にとっての「再会」の意味とは、既存の資料解説の中の誤記を修正するばかりか、映像記録を介して数百年後の自分たちの子孫に自分たちの声を語りつなげるアーカイブ化の機会であった。なお、これまでに実施した「再会」の対象資料は、主に二〇世紀以降に制作・収集されたモノ資料が大半を占めた。ところが博物館が収蔵する民族誌資料には古写真、音響・映像資料、図書・文書資料といったものも含まれる。さらに、モノ資料といっても制作者やソースコミュニティの遡及が比較的容易なものばかりでなく、特定の民族集団をソースコミュニティおよびディセンダントコミュニティとみなすことが困難な歴史状況を伴う考古資料も存在する。今回のワークショップで主たる対象とするのは、今から900年ほど前に制作されたミンブレス地域の考古資料の土器である。ソースコミュニティおよびディセンダントコミュニティとして知られるのは、アコマ、ズニ、ホピなどのプエブロ諸民族である。

 

プログラム

☆8月28日(月)
10:00 - 17:00 会場:ニューメキシコ州立大学附属博物館(ラスクルーセス)
☆8月29日(月)
9:00 - 17:00 会場:ニューメキシコ州立大学附属博物館(ラスクルーセス)
☆8月30日(水)
8:00 - 16:00 会場:ミンブレス遺跡
☆8月31日(木)
8:00 - 14:00 会場:ミンブレス遺跡
☆9月1日(金)
9:00 - 18:00 会場:ジェロニモ・スプリングス博物館(トゥルース・オア・コンシークェンシズ)
☆9月2日(土)
9:00 - 15:00 会場:ジェロニモ・スプリングス博物館(トゥルース・オア・コンシークェンシズ)