国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

スタッフの紹介

左地亮子
左地亮子SACHI Ryoko
グローバル現象研究部・機関研究員
専門分野
  • 文化人類学、ジプシー/ロマ研究
各個研究
  • フランスにおけるジプシーのノマディズムと共同体に関する人類学的研究
個人ホームページ

2018年3月31日で任期満了にともない本館を退職いたしました。

略歴

筑波大学大学院人文社会科学研究科代文化・公共政策専攻 修了
日本学術振興会特別研究員PD(広島大学・京都大学)を経て、2017年より民博。

専門分野

文化人類学、ジプシー/ロマ研究

研究のキーワード

ジプシー/ロマ、マヌーシュ、フランス、移動、居住、身体、モノ、マテリアリティ、情動、共在、記憶、共同体/共同性、市民社会

現在の研究課題

フランスにおけるジプシーのキャラヴァン居住に関する研究
ヨーロッパにおけるジプシーの「統合」の可能性と限界に関する文化人類学的研究
フランスにおけるジプシーのノマディズムと共同体に関する研究

所属学会

日本文化人類学会、早稲田人類学会、日仏社会学会、日本居住福祉学会

主要業績

2017
『現代フランスを生きるジプシー― 旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』世界思想社、2017。
2016
「「ジプシー」をめぐる政策の人類学試論―ノマド、移動生活者、ロマに対するフランスの法政策の分析を中心として」『文化人類学研究』17巻、91-107頁、2016。
2014
「沈黙の共同性―フランスのマヌーシュ共同体における「沈黙の敬意」に関する考察」『文化人類学』78-4号、 470-491頁、2014。(査読あり)
2013
「空間をつくりあげる身体―フランスに暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン居住と身構えに関する考察」『文化人類学』78-2号、177-197頁、2013。(査読あり)

受賞歴

2015
第10回日本文化人類学会学会奨励賞 2015年5月

代表者を務めた研究プロジェクト

  • 科学研究費助成事業 若手研究B フランスにおけるジプシーの「旅の共同体」に関する文化人類学的研究 研究期間: 2017年4月~2020年3月
  • 科学研究費助成事業、特別研究員奨励費研究課題名:ヨーロッパにおけるジプシーの「統合」の可能性と限界に関する文化人類学的研究、研究期間: 2014年4月~2017年3月
  • 科学研究費助成事業、研究成果公開促進費(学術図書)、平成28年度

経歴詳細

学歴
  • 京都西高等学校 卒業(1998年3月31日)
  • 筑波大学第二学群比較文化学類 入学(1998年4月1日)
  • 同学を卒業(2003年3月31日)
  • 筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科 現代文化・公共政策専攻 入学(2003年4月1日)
  • 同学休学、フランス国立Université de Pau et des Pays de l'Adour大学院社会人文科学研究科
  • 留学(2008-2009年度フランス政府給費留学生)(2007年10月1日)
  • 筑波大学に復学(2009年10月1日)
  • 筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科 現代文化・公共政策専攻 修了(2012年12月31日)
職歴
  • 2013年1月1日 博士特別研究員 筑波大学(同年12月31日まで)
     研究課題:「フランスにおけるジプシーの移動生活とキャラヴァン居住に関する研究」
  • 2014年4月1日 日本学術振興会特別研究員PD(2017年3月31日まで)
     受け入れ研究機関:2014年度広島大学、2015年度~2016年度京都大学
     研究課題:「ヨーロッパにおけるジプシーの「統合」の可能性と限界に関する文化人類学的研究」
  • 2014年4月1日 獨協大学 非常勤講師(2016年3月31日まで)
  • 2017年4月1日 国立民族学博物館 外来研究員(同年 4月30日まで)
  • 2017年4月1日 四天王寺大学 非常勤講師(現在まで)
  • 2017年5月1日 国立民族学博物館 機関研究員
学位
  • 2007年 3月 修士(学術) 筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科
  • 2012年12月 博士(学術) 筑波大学大学院博士課程人文社会科学研究科

研究詳細

これまで、ヨーロッパに暮らすジプシー/ロマ、とりわけマヌーシュや移動生活者と呼ばれるフランスの移動民を対象に文化人類学の調査研究を行い、移動と定住の関係、居住空間における身体やモノの布置などに着目しながら、ジプシーの住まいと共同性について研究してきました。現在は、ジプシーを主たる対象としたヨーロッパ・マイノリティの文化動態論の視点から、現代市民社会における共在と共生の問題を探究しています。

業績詳細

著書(単著)
2017
『現代フランスを生きるジプシー― 旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学』世界思想社、2017。
著書(共著)
2003
「世界各地での取り組み」、『「ロマ」を知っていますか―「ロマ/ジプシー」苦難の歩みをこえて』(左地亮子、五十嵐和代)、反差別国際運動日本委員会、88-95頁、2003。
2003
「西欧」、『「ロマ」を知っていますか―「ロマ/ジプシー」苦難の歩みをこえて』(五十嵐和代、左地亮子)、反差別国際運動日本委員会、70-77頁、2003。
2003
「ロマ―「ジプシー」と呼ばれる人びと」、『「ロマ」を知っていますか―「ロマ/ジプシー」苦難の歩みをこえて』(左地亮子、井坂泰成)、反差別国際運動日本委員会、6-14頁、2003。
学術論文
2017
「フランスにおける移動生活者のための「適合住宅」政策―居住福祉を通したマイノリティの社会的統合の試み」『居住福祉研究』23、49-61頁、2017(査読あり)
2017
Decline and Restructuring of Gypsies’ Nomadism in France: Beyond the Nomadic/Sedentary Binary, In K. Ikeya (ed.) Sedentarization among nomadic peoples in Asia and Africa (Senri Ethnological Studies № 95) , Osaka, National Museum of Ethnology, 2017.(In print, 査読あり)
2016
「「ジプシー」をめぐる政策の人類学試論―ノマド、移動生活者、ロマに対するフランスの法政策の分析を中心として」『文化人類学研究』17巻、91-107頁、 2016。(査読あり)
2014
「沈黙の共同性 : フランスのマヌーシュ共同体における「沈黙の敬意」に関する考察」『文化人類学』78-4号、 470-491頁、2014。(査読あり)
2013
「空間をつくりあげる身体―フランスに暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン居住と身構えに関する考察」『文化人類学』78-2号、177-197頁、2013。(査読あり、日本文化人類学学会奨励賞受賞対象論文)
2012
「フランス南西部ポー地域におけるマヌーシュのキャラヴァン居住に関する人類学的研究」博士論文、2012年12月筑波大学人文社会科学研究科提出。
2012
「定住化の時代における地縁共同体の構築―フランス南西部に暮らす移動生活者マヌーシュの共同体を事例として」『論叢 現代語・現代文化』第8号、29-57頁、2012。(査読あり)
2011
「定住化の時代における生活空間の再構築―フランス南西部に暮らすマヌーシュの家族用地の事例を中心に」『文化交流研究』6号、1-25頁、2011。(査読あり)
2010
Chacun a sa caravane : L’habitat caravane et l’organisation sociale chez les Manouches semi-sédentaires ou sédentaires dans la région paloise, Journal des anthropologues 120-121 : pp.399-416, 2010.(査読あり)
口頭発表
2016
「ジプシーの想起なき過去の生き方―南仏・巡礼祭におけるジプシーたちの歩き方に着目して」日本文化人類学会第50回研究大会、南山大学、2016年5月28日。
2016
「フランスにおける「移動生活者(ジプシー)のための「適合住宅」政策の展開―居住福祉を通したマイノリティの社会的統合の試み、日本居住福祉学会第16回全国大会、大阪市立大学、2016年5月21日。
2014
「共和主義的統合の例外?フランスにおける gens du voyage政策と『ジプシー』」日仏社会学会2014年度研究大会、関西学院大学、2014年10月。(口頭)
2014
Decline and restructuring of Gypsies’ nomadism in France: beyond the nomadic/sedentary binary, IUAES Inter-Congress, International Conference Hall of Makuhari Messe, 15 May 2014.
2013
「住まうことのアート―マヌーシュのキャラヴァン居住を事例に」国立民族学博物館平成25年度みんぱく若手研究者奨励セミナー「アートを考える―人類学からのアプローチ」、国立民族学博物館、2013年11月。
2013
「フランスのマヌーシュ共同体における死者の位置づけと沈黙の敬意」日本文化人類学会第47回研究大会、慶應義塾大学三田キャンパス、2013年6月。
2011
「人を包み、位置づけるモノ:フランス南西部に暮らす移動生活者マヌーシュのキャラヴァン」日本文化人類学会第45回研究大会、東京法政大学市ヶ谷キャンパス、2011年6月。
2010
「沈黙の敬意―フランスの移動生活者マヌーシュ共同体における死者の位置づけ」筑波人類学研究会第7定例会、筑波大学、2010年12月。
2010
「移動生活者の定住化と地域共同体の構築. フランス南西部におけるマヌーシュ共同体を事例として」日本文化人類学会第44回研究大会、埼玉立教大学新座キャンパス、2010年6月。
2010
「定住化の時代における生活空間の再構築―フランス南西部に暮らすマヌーシュの家族用地の事例を中心に―」筑波人類学研究会第6定例会、筑波大学、2010年6月。
2008
Le mode d’appropriation de l’espace de vie: le cas de l’habitat caravane des Manouches dans l’agglomération paloise, Le colloque interdisciplinaire : (Ré) appropriation, recyclage, l’Université de Pau et des Pays de l’Adour, France, 2008年4月.
翻訳
2007
『ジプシー(文庫クセジュ)』水谷驍、左地亮子(共訳)、ニコール・マルティネス著 白水社、2007。