国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。
受賞年度: 
2017年度
MCD(民博 服装・身装文化データベース)プロジェクト(代表・高橋晴子)が『第11回 野上紘子記念アート・ドキュメンテーション学会賞』を受賞
2017年6月26日掲載

この度、本館の高橋晴子外来研究員が代表を務めるMCD(民博 服装・身装文化データベース)プロジェクトが、『第11回 野上紘子記念アート・ドキュメンテーション学会賞』を受賞いたしました。
なお、授賞式は2017年6月10日(土)に東京工業大学博物館・百年記念館で挙行されました。

受賞理由
MCDプロジェクトは高橋晴子氏や故大丸弘国立民族学博物館名誉教授が中心となって進めてきた約30年に及ぶ歴史を持つ。身装画像データベース<近代日本の身装文化>は、明治維新後約80年間にわたる日本の身体と装い(身装)を、新聞小説挿絵や写真などの画像から検索することのできるデジタルアーカイブである。正確な出典情報、適切なキーワードの付与、研究者による解説や、身装文化全般の背景をテーマ別にわかり易く説明した「参考ノート」も公開されており、専門家から一般の利用者まで幅広い利用者を対象にしたウェブサイトとなっている。データベースシステムとウェブインタフェースの開発という技術系研究者の協力がある点も見逃せない。
また、ウェブサイト構築に関連して刊行された主担当者の高橋晴子氏の著作『近代日本の身装文化「身体と装い」の文化的変容』(三元社, 2005)、『年表近代日本の身装文化』(三元社, 2007)、とりわけ同データベースの「参考ノート」を元にして書かれた『日本人のすがたと暮らし: 明治・大正・昭和前期の身装』(大丸弘・高橋晴子共著, 三元社, 2016)も重要な貢献である。
きわめて優れたドキュメンテーション・ワークであり、学会賞を授与するに値する業績として高く評価される。(アート・ドキュメンテーション学会第11回野上賞選考委員会)

受賞の言葉
このたびの受賞は、わたしたちのプロジェクトにとって、本当に喜ばしいものでした。プロジェクトも共に受賞というのが初めてだったからです。今回のふたつの業績については、著書ならびにデータベースのデータは、民博の故大丸弘名誉教授の、深くそして広い知識がなければ、どちらも存在しませんでした。また、データベースシステムの実現については、現在民博の准教授である丸川雄三氏が人文系データベースの性格をよく理解し、そしていままでのデータベース構築の知識と経験を十分につぎ込んでくれたおかげです。ただ、皆様もよくご存じのように、データベースが作成され公開に至るまでには、さまざまな能力が必要です。私たちのプロジェクトは、いろいろな分野の人材がそろっており、その豊かな能力に恵まれています。プロジェクトのそれぞれのメンバーが、適切に支えてくれたおかげで、この賞がいただけたのは言うまでもありません。私たちは、私たちなりに、今日まで文理連携と産学協同をすすめてまいりました。現在、プロジェクトのコアになる11名のメンバーの他、9名の制作協力メンバーがデータ入力等について、たゆまなく努力しています。
これからも、わたしたちのプロジェクトは、進化するプロジェクトとして歩んでいきたいとおもっていますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。 なお、私事ですが、今回の受賞のテーマは「近代の身装」でしたので、今日こそ着るにふさわしいと思い、叔母から受け継いだ、昭和の初めの和服と帯を着付けた次第です。

 

野上紘子アート・ドキュメンテーション学会賞:
『アート・ドキュメンテーション研究』、『アート・ドキュメンテーション通信』、その他の雑誌に掲載の論文・記事、図書、データベース、展覧会、ウェブサイトのなかから優れたものを選出。会員に限らない。対象となる論文・記事、図書、展覧会は、受賞年の前年度を含む過去3年間に発表されたものとする。
(アート・ドキュメンテーション学会のウェブサイトより)

写真提供:アート・ドキュメンテーション学会