現代の保健・医療・福祉の現場における「子どものいのち」
キーワード
子ども、いのち、方法論
目的
子どもは、年齢、性別、環境の違いにかかわらず生きることにおける主体性をもち、自分のいのちに関する情報を発信している。個別社会や文化にはその情報を捉えるための共通の「認識枠組み」が発達しているが、他方において、社会や文化の内部における微妙な認識の違いもみとめられる。現代社会ではその認識のギャップが大きくなり、子どもの医療や福祉の政策に影響を与えている。そこで、本研究では、人類学、社会学、医学および保健医療分野の研究者による学際共同研究を行い、現代の保健・医療・福祉の現場における「子どものいのち」のありようとその捉え方について考察する。研究の成果は、人類学と保健・医療・福祉、それぞれに意義のある問題の取組みに応用する。
2013年度
| 【館内研究員】 | 信田敏宏 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 神谷元、亀井伸孝、木村晶子、白川千尋、波平恵美子、西方浩一、幅崎麻紀子、樋室伸顕、藤田美樹、前田浩利、山崎浩司 |
研究会
- 2013年6月22日(土)10:00~17:00(札幌医科大学記念ホール)
- 全員「平成25年度の研究計画と研究成果公開計画」「公開研究会の打ち合わせ」
- 道信良子(札幌医科大学)・趣旨説明「障害・病気をもつ子どもの医療―在宅医療とリハビリテーション」
- 前田浩利 (子ども在宅クリニックあおぞら診療所墨田)「医療と福祉の協働で支える小児在宅医療 」
- 樋室伸顕(札幌医科大学)「障害児とその家族のためのリハビリテーション」
- 波平恵美子(お茶の水女子大学名誉教授)「コメント」
- 全員「全体討論」
2012年度
研究会を4回開催する。各回の研究内容は次の通りである。(1)子どもが日々の生活において経験する「生きること」「死ぬこと」をめぐる現象について、子どもの死別経験もふまえて考察する。(2)文化人類学の「子ども理解」や「いのちの捉え方」について整理し、現代の保健・医療・福祉の領域における子ども理解に文化人類学の知見を応用する方法について考察する。(3)マラリア・エイズ対策における「子どものいのち」の捉え方を整理し、社会の医療環境や医療資源によって規定される「子どものいのち」の具体について考察する。 (4)日本の予防接種行政や感染症対策全般における「子どものいのち」の捉え方について考察する。
| 【館内研究員】 | 白川千尋 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 岩本喜久子、神谷元、亀井伸孝、木村晶子、波平恵美子、樋室伸顕、藤田美樹、山崎浩司 |
研究会
- 2012年6月9日(土)10:00~18:00(札幌医科大学基礎医学研究棟5階共通会議室)
- 全員「平成24年度の研究計画と研究成果の役割分担、公開研究会の打ち合わせ」
- 道信良子(札幌医科大学)・趣旨説明「子どものいのちと向き合う―医療・福祉の現場から」
- 岩本喜久子(札幌医科大学)「子どもにとっての生と死の経験、子どもの死別体験もふまえて」
- 山崎浩司(信州大学)「コメント」
- 神谷元 (国立感染症研究所感染症情報センター)「日本の予防接種・感染症対策と子どものいのち」
- 白川千尋(国立民族学博物館)「コメント」
- 全員「全体討論」
- 全員「研究会の振り返り」
- 2012年10月27日(土)10:00~18:00(国立民族学博物館 大演習室)
- 第1回研究会の経過報告・討論
- 第3回と第4回研究会について
- 成果公表における役割分担について
- 高田明(京都大学)「子どものエスノグラフィ: 進化,ポリティックス,相互行為」
- 波平恵美子(お茶の水女子大学名誉教授)「こどものいのちと親子の関係, その変化を通しての分析」
- 全員 総合討論
- 2013年1月26日(土)10:00~18:00(国立民族学博物館 大演習室)
- 第2回研究会(10月27日開催)の経過報告
- 第4回研究会について
- 成果公表について
- 藤田美樹(北海道在宅総合ケア事業団)「ザンビア共和国プライマリーヘルスケアプロジェクト――踊る大保健教育」
- 加賀谷真梨(国立民族学博物館)「人類学でいじめを読む」
- 道信良子(札幌医科大学)「北海道利尻島で生活する児童の身体性――身体と生活環境とのかかわりから」
- 全員 総合討論
- 2013年3月9日(土)10:00~15:00(国立民族学博物館 第4演習室)
- 道信良子(札幌医科大学) 「第3回研究会経過報告」
- 全員「次年度研究計画の検討」
- 全員「成果報告について議論」
- 幅崎麻紀子(筑波大学)「子どもの『身体の声』を理解するローカルな営み:ネパー ルを事例として」
- 全員「今年度共同研究のまとめ」
- 総合討論
2011年度
初年度(平成23年度)に研究会を2回開催し、(1)共同研究の目的・意義・成果についての共通理解を形成し、共同研究員がこれまでに行ってきた研究内容を開示する。(2)災害時の子どものケアを行っている専門家を招聘し、子どものグリーフについて考える。(3)子どもの日常生活の遊戯性から、子どもの「いのち」の観念について考察する。
| 【館内研究員】 | 白川千尋 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 岩本喜久子、神谷元、亀井伸孝、木村晶子、波平恵美子、樋室伸顕、藤田美樹、山崎浩司 |
研究会
- 2011年12月4日(日)9:00~13:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 道信良子(札幌医科大学)共同研究の趣旨と方向性について
- 全員 自己紹介と各自の研究テーマについて
- 全員 総括討論・第2回研究会について
-
2012年3月3日(土)13:30~17:30(国立民族学博物館 第3演習室)
2012年3月4日(日)9:00~12:00(国立民族学博物館 第3演習室) - 《3月3日》
- 久保香世(岩手県教育委員会派遣スクールカウンセラー)「被災地における子ども支援の現状と課題―岩手の現状に即した子どものこころのサポート」
- 櫻幸恵(岩手県立大学)「被災地における子ども支援の現状と課題―陸前高田市での親子の広場への支援」
- 全員 全体討論
- 《3月4日》
- 全員「被災地における子ども支援」のふりかえり
- 共同研究員3名 自己紹介
- 全員 平成24年度の研究計画と研究成果の役割分担についての討議
研究成果
第1回研究会では、共同研究の趣旨及び目的を説明し、研究の実施計画と研究成果の公開計画について確認した。各研究員が本共同研究で行う研究テーマを述べ、質疑応答を行い、互いの学問領域や専門領域に対する理解を深めた。第2回共同研究会のテーマと発表者について議論した。
第2回研究会では、東日本大震災の被災地における子ども支援の現状と課題について、以下の手順で考察した。1日目は特別講師2名を招聘し、子ども支援の具体的な内容を理解し、その取り組みを支えている方策の考え方や手法、「子どものいのち」の捉え方などについて学んだ。2日目はこれらの学びをふまえて、震災後の日本において、子どものいのちを育むよりよい環境作りのために、人類学、社会学、医学および保健医療分野から、いかなる知見が提供できるかについて議論した。







