災害復興における在来知-無形文化の再生と記憶の継承-
キーワード
災害、復興、在来知
目的
被災体験の記録化や記憶の継承は、被災者自身による体験記の執筆や第三者による聞き取り調査などによって、これまでも数多く試みられてきた。近年では、災害発生によって予期せぬ事態に遭遇した際の判断と行動に関して、一般市民だけでなく災害の現場での対応に当たった行政官や消防士などをも対象として、言語記録として残し、そしてそれを災害状況下での教訓として共有化を図るための災害エスノグラフィも実施されている。しかしながら災害エスノグラフィでは、将来の防災や減災への貢献を目的に、災害発生直後や避難所などの非日常的な環境下での判断・行動にテーマが限定されがちである。本研究は、人びとが自然・社会環境と日々関わる中で形成される実践的、経験的な知(在来知)が、災害発生により被った影響やその再生の活動、地域社会の再建に果たす役割、さらにはそうした経験の継承に注目し、社会的・歴史的背景に照らして、解明することを目的としている。主な対象は東日本大震災における無形文化とする。
2013年度
| 【館内研究員】 | 林勲男、日髙真吾、吉田憲司 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 猪瀬浩平、植田今日子、大矢邦宣、柄谷友香、川島秀一、木村周平、小谷竜介、佐治靖、関礼子、寺田匡宏、丹羽朋子、橋本裕之、政岡伸洋、松前もゆる |
研究会
- 2013年5月11日(土)13:00~17:30(国立民族学博物館 第3演習室)
- 林勲男(民博):防災研究における在来知への関心(仮題)
- 寺田(地球研):自然災害・戦争などに関する博物館における「復興」の表現の特徴
- 2013年5月12日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 吉田憲司(民博):記憶の継承-津波災害と文化遺産(仮題)
- 2013年7月20日(土)14:00~17:00(岩手県立大学滝沢キャンパスメディアA棟AVホール)
- 見市健(岩手県立大学)「橋本裕之氏と「社会実験」としての民俗芸能復興支援-政策学からのアプローチ」
- 2013年7月21日(日)9:00~18:00(岩手県立大学アイーナキャンパス)
- 松前もゆる(盛岡大学)「「コミュニティ」と女性の役割―岩手県宮古市重茂の1地区を例に」(仮題)
- 柄谷友香(名城大学)「被災限界からの再建に向けた「中核被災者」の役割と可能性」
- 全員・総合討論
2012年度
ほとんどのメンバーは、東日本大震災の被災地で、無形文化の被災状況やそれに対する文化支援について調査するだけでなく、積極的な支援活動を展開してきている。これまでのそうした支援と研究活動を通じて培われた関係に基づき、科研等の調査資金によって現地調査を継続し、その成果を持ち寄って、本共同研究会にて発表し、議論していく。必要に応じて、他分野の研究者や被災地で活動する実務者を特別講師として招聘して議論を深めていく。また、2年度目以降に日本文化人類学会等の関係学協会の研究大会で分科会を組織し、成果の一端をアカデミックな議論の俎上に挙げるだけでなく、被災地や被災地支援活動の拠点となった地域でシンポジウムやフォーラムを開催し、被災地復興や被災者の生活再建に関わっている多方面のステークホルダーとの協働体制を作っていく。
3年目の最終年度は、成果出版公開のための準備として、草稿を持ち寄って議論し、メンバー各自の論文の質を高めていくこととする。同時にウェブでの成果の一部公開準備をする。
| 【館内研究員】 | 林勲男、吉田憲司 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 猪瀬浩平、大矢邦宣、川島秀一、木村周平、佐治靖、寺田匡宏、橋本裕之、政岡伸洋、松前もゆる |
研究会
- 2012年6月9日(土)10:00~17:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 橋本裕之、林勲男「本研究会の趣旨と実施計画」
- 全員「研究紹介」
- 林勲男「東北の民俗芸能・鹿踊り再生への支援と被災地復興について」
- 全員「研究会の内容について」
- 2012年6月10日(日)10:00~12:30(国立民族学博物館 第3演習室)
- 橋本裕之「無形民俗文化財への支援活動」
- 2012年11月16日(金)10:00~17:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 林勲男(国立民族学博物館):災害の記憶を残す
- 橋本裕之(追手門学院大学):東日本大震災と無形文化遺産
- 吉田憲司(国立民族学博物館):記憶の継承
- 2012年11月17日(土)10:00~18:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 日高真吾(国立民族学博物館):東日本大震災で被災した有形文化遺産の復興支援
- 阿部武司(東北文化財映像研究所):記録DVD「3.11 東日本大震災を乗り越えて」について
- 2012年11月18日(日)10:00~18:00(国立民族学博物館 第4セミナー室)
- 佐治靖(福島県立博物館):「民俗知」から「在来知」へ―災害研究への、2、3の提言
- 日高真吾・吉田憲司・林勲男(国立民族学博物館):企画展「記憶をつなぐ」について
- 全員:企画展講評
- 橋本裕之(追手門学院大学)・林勲男(国立民族学博物館):年行司太神楽について
- 松前もゆる(盛岡大学):東日本大震災と学生による支援活動
- 2013年1月27日(日)13:00~18:00(国立民族学博物館 第1演習室)
- 木村周平(富士常葉大学)「人類学における災害研究―これまでとこれから」
- 総合ディスカッション
- 2013年2月15日(金)10:00~18:00(東北学院大学土樋キャンパス7号館5階 753教室)
- 政岡伸洋(東北学院大学)「民俗行事の復活とは何だったのか―宮城県本吉郡南三陸町戸倉波伝谷の春祈祷の場合―」
- 加藤幸治(東北学院大学)「脱・文化財レスキュー―救助・復旧活動から地域研究へ―」
- 政岡伸洋・加藤幸治「東北学院大学博物館・文化財レスキュー資料および関連施設の収蔵設備等について」
- 文化財レスキュー資料・関連施設の収蔵設備等に関する討論
- 2013年2月16日(土)10:00~12:00(東北学院大学土樋キャンパス7号館5階 753教室)
- 川島秀一(神奈川大学)「山口弥一郎の三陸津波研究」







