肉食行為の研究
キーワード
肉食、食文化、動物解放論
目的
本研究の目的は、人類の採食行動の構成要素の一つである肉食に焦点をあて、その生態学的適応と文化的位置づけとの関係、さらに今日のグローバル消費社会のなかで変質してきた人類の肉食行為の動態を明らかにし、将来の展望を与えることである。人類は進化の過程において、肉食と菜食の双方に生態学的に適応するとともに、それを文化的な行為として社会の中に位置づけてきた。食肉の分配や共食、供犠における利用、肉食の忌避や規範化は、人類学が明らかにしてきた肉食の重要な社会的機能である。食肉の生産や流通が産業化された20世紀後半から、肉食は先進国社会の中で日常化される反面、動物から食肉を得るという光景は希薄となった。こうした社会的背景のもと、欧米では「動物解放論」に代表される倫理学的なアプローチを中心に、肉食の是非を含めた動物の権利をめぐる議論が盛んとなった。しかしながら、これらは功利主義と義務論が中心で、異なる社会的、文化的脈絡の中で人間と動物との関係が構築されてきたことについては必ずしも注意がはらわれていない。本研究では、肉食とそれに関連する行為の背景にある複雑で多様な問題群を明らかにしたうえで、これからのグローバル消費社会における肉食のありかた、さらには、人間と動物との関係のありかたに新たな視座を作り出すことをねらいとする。
2013年度
| 【館内研究員】 | 池谷和信、岸上伸啓 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 伊勢田哲治、五百部裕、鵜澤和宏、内澤旬子、梅崎昌裕、永ノ尾信悟、大森美香、小川光、加藤裕美、筒井俊之、林耕次、原田信男、本郷一美、山田仁史 |
研究会
- 2013年5月18日(土)13:00~18:00(国立民族学博物館 大演習室)
- 全員「年度計画の見通し」
- 岸上伸啓(民博)「アラスカ先住民イヌピアットの鯨肉の分配と流通について」
- 加藤裕美(京大・東南アジア研究所)「食べられる肉/食べられない肉-食肉概念のあいまいさと多義性」
- 全員「討論」
- 2013年5月19日(日)9:30~12:00(国立民族学博物館 大演習室)
- 林耕次(京大・アフリカ地域研究資料センター) 「ネズミからゾウまで―アフリカ熱帯における狩猟採集民の狩猟・調理・摂取・禁忌―」
- 全員「総括討論」
2012年度
平成24年度は、合計2回の研究会合を実施する予定である。本共同研究が採択された場合には、キックオフのための研究会合を早期に実施し、代表者の野林が本研究の趣旨と研究遂行の大筋を説明する。その上で、共同研究員全員で研究会の具体的な進め方について検討するとともに、個々の研究発表の見通しを確認する。第2回目の研究会合をもって本格的に研究をスタートさせる。参加者の専門分野と研究課題の内容とを勘案しながら、研究発表と討議を主体とした研究会合を実施する予定である。
| 【館内研究員】 | 池谷和信、岸上伸啓 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 伊勢田哲治、五百部裕、鵜澤和宏、内澤旬子、梅崎昌裕、永ノ尾信悟、大森美香、小川光、加藤裕美、筒井俊之、林耕次、原田信男、本郷一美、山田仁史 |
研究会
- 2012年11月23日(土)13:00~18:00(国立民族学博物館 第4演習室)
- 野林・「肉食行為の研究」共同研究の趣旨と見通し
- 共同研究員全員・自己紹介、研究会の方向性についての意見交換
- 2013年3月16日(土)13:30~18:00(国立民族学博物館 第4演習室)
- 五百部裕(椙山女学園大学)「ヒト上科における肉食行動の進化」
- 池谷和信(民博)「現在の狩猟採集民の狩猟行動と肉食-アフリカの事例を中心として-」
- 総合議論
- 2013年3月17日(日)10:00~12:00(国立民族学博物館 第4演習室)
- 鵜澤和宏(東亜大学)「肉食行動と人類進化 -先史人類の食性変化と身体・行動・社会の共進化-」
- 次年度の計画についての討議







