国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

明治から終戦までの北海道・樺太・千島における人類学・民族学研究と収集活動――国立民族学博物館所蔵のアイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料の再検討

共同研究 代表者 齋藤玲子

研究プロジェクト一覧

キーワード

北海道、樺太、民族資料収集

目的

国立民族学博物館が所蔵する北海道、樺太、千島の民族資料のうち、第二次世界大戦終戦までに収集されたことが明らかなものは、アイヌが1000点以上、ウイルタで280点以上、ニヴフで70点以上ある。これらは伝統的な特徴をよく残しており、素材や製作技法といった物質文化研究を進めるうえで重要であるとともに、現在では収集できない貴重なものが多数含まれている。 ただ残念なことに、当時の調査・収集時の誤解・誤認や資料管理の限界、また、数度の管理替えによる情報の紛失、転記・入力時のミスなどにより、資料データの欠けているものや誤りが少なくない。しかし、これらの資料は収集者が明らかなものが大部分で、その足跡をたどることによって、情報を再検討し、修正・追加できる可能性が十分にある。 本研究では、各民族の物質文化、言語等に関する専門家が共同研究を行うことによって、資料に適正な情報を付すとともに、あわせて明治から昭和前期までの人類学または民族学者と被調査者・資料提供者との関係など、資料が集められた当時の研究状況と社会的な背景を明らかにする。

2013年度

【館内研究員】 近藤雅樹、佐々木史郎
【館外研究員】 大塚和義、小川正人、加藤克、北原次郎太、木名瀬高嗣、小西雅徳、田村将人、丹菊逸治、津曲敏郎、手塚薫
研究会
2013年6月22日(土)13:30~17:00(板橋区立郷土資料館 講義室)
小西雅徳(板橋区教育委員会)「石田収蔵の樺太調査関係書類について」(仮)
石田収蔵の樺太調査関係資料の実見と討論
2013年6月23日(日)9:30~15:00(板橋区立郷土資料館 講義室)
北原次郎太(北海道大学)「日本民族学協会附属民族学博物館でのチセノミ(昭和25年)について」(仮)
田村将人(札幌大学)「サハリン先住民族の村落の変遷」(仮)
大塚和義(大阪学院大学)「明治期のアイヌの風俗写真について」
研究計画等の打ち合わせ

2012年度

民博所蔵のアイヌ民族に関する標本資料のうち、昭和前期までに収集されたものは、東京大学理学部人類学教室旧蔵資料と、アチック・ミューゼアムや日本民族学協会附属民族学博物館(後に文部省資料館)の旧蔵資料である。 初年度は、この二つの大きなコレクションの全容と収集者について把握することから始め、研究計画と分担を確認する。学会誌等に掲載された調査報告の再検討をはじめ、当時の新聞・雑誌や絵はがき・写真、また近年になって発見あるいは公開されるようになった収集者の日記やフィールドノートなどを活用することにより、収集地、用途、誰(民族/個人)から収集したかを個別に明らかにしていく。

【館内研究員】 近藤雅樹、佐々木史郎
【館外研究員】 大塚和義、小川正人、加藤克、北原次郎太、木名瀬高嗣、小西雅徳、田村将人、丹菊逸治、津曲敏郎、手塚薫
研究会
2012年10月20日(土)13:30~17:30(国立民族学博物館 第3演習室)
齋藤玲子(民博)「趣旨および民博所蔵のアイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料の概要説明」
全員・自己紹介と研究テーマについて
2012年10月21日(日)9:30~12:30(国立民族学博物館 第3演習室)
全員・自己紹介と研究テーマについて
研究計画打ち合わせ
2013年1月18日(金)13:00~17:00(国立民族学博物館 第1演習室)
齋藤玲子(国立民族学博物館)「東京大学理学部人類学教室旧蔵のアイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料とその付随情報に関する検証」
2013年1月19日(土)9:30~17:30(国立民族学博物館 第1演習室)
齋藤玲子「東京大学理学部人類学教室旧蔵のアイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料とその付随情報に関する検証」
大矢京右(市立函館博物館)「馬場脩の研究・収集活動」
小西雅徳(板橋区立郷土資料館)「石田収蔵資料―特に北方民族調査について―」
加藤克(北海道大学)「東大人類学教室台帳とみんぱくデータベースの照合結果~今後の検討課題~」
2013年2月26日(火)9:30~17:00(徳島県立鳥居龍蔵記念博物館 講座室)
齋藤玲子(民博)「民博所蔵の鳥居龍蔵収集アイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料について」
高島芳弘(徳島県立鳥居龍蔵記念博物館館長)「徳島県立鳥居龍蔵記念博物館の概要」
鳥居龍蔵収集のアイヌ、ウイルタ、ニヴフ資料の実見と討論
田村将人(北海道開拓記念館)「鳥居龍蔵のサハリン・樺太調査に関するいくつかの資料」(仮)
手塚薫(北海学園大学)「千島列島の考古学―鳥居の研究成果をどのように活用すべきか」
今年度のまとめと次年度研究計画打ち合わせ