「統制」と公共性の人類学的研究――ミャンマーにおけるモノ・情報・コミュニティ
キーワード
統制、公共性、コミュニティ
目的
ミャンマー(ビルマ)は1962年ネーウィンの軍事クーデター以来、半世紀の間に3つの政治体制(社会主義、軍政、大統領制)と2つの経済体制(社会主義体制における統制経済、経済制裁下の市場経済)を経験したが、一貫して物の流れや人的移動、情報などを中心に厳しい統制が課せられてきた。本研究会で扱う「統制」とは比較的可視化されやすい国家政策に留まらず、宗教、ジェンダーといった多様な領域に及ぶ不可視のイデオロギーと支配装置、さらに、隣組的な相互監視システムや言論統制などを通じて身体化された統制をも含む。他方、それぞれのコミュニティ内で、例えばミャンマーであれば、僧院を核とする宗教ネットワークや在家組織、精霊信仰の霊媒や信者たち、各少数民族や国際・国内NGOなどの組織やその参加者、その他ジェンダーや「親しい(キン)」を媒介とする繋がりのなかに、「統制」をすり抜け、オルターナティブなネットワークを作る戦略的実践が存在してきた。本研究会では、こうした実践に着目し、「統制」と公共性という二つの観点から、統制解除へと急激に移行しつつあるミャンマーを中心に、社会的再編成、コミュニティの公共性やその変容を明らかにすることを目指す。
2013年度
| 【館内研究員】 | 田村克己 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 飯國有佳子、伊野憲治、岡本正明、藏本龍介、斎藤紋子、高谷紀夫、田村慶子、テッテッヌティ、松井生子、伊藤まり子、生駒美樹 |
研究会
- 2013年4月14日(日)10:00~19:00(国立民族学博物館 第4セミナー室)
- 土佐桂子「ミャンマーにおける文学と生活文化における統制と公共性」("Control" and "Public" appeared in the Myanmar Literature and Everyday life)
- ウー・トーカウン「ミャンマーにおける文学批評家と文学批評---言論統制の観点から」(Myanmar Literary Critics and Literary Criticism in Myanmar)【使用言語英語】
- コメント:田村克己
- 討論:全員
- 2013年6月16日(日)13:30~19:00(東京外国語大学本郷サテライト(4階セミナー室))
- 伊野憲治「88年民主化運動下の民衆行動の諸特徴」
- コメント(岡本正明)と討論
- 総合討論と情報交換
- 2013年7月21日(日)13:30~19:00(国立民族学博物館 第6セミナー室)
- 斎藤紋子「バマームスリムの視点からみたミャンマー宗教対立の現状」
- 飯塚正人「中東におけるムスリム同胞意識の変容と東南アジアへのまなざし」 (コメントを含めて)
- 総合討論と情報交換
2012年度
本研究では共同研究を開催し、東南アジアの政治状況を踏まえつつ、「統制」と公共性という観点から、モノ、人、情報への「統制」について、また、「統制」状況の変化による社会的再編成、さらにコミュニティの公共性やその変容について検討することを考えている。このうち、2012年度は、2回研究会を開催する予定である。一回目の研究会において、代表者等が研究課題について要旨の説明と問題提起を行う。全員の自由な討論を経て、研究課題を検討するとともに、参加者の分担する具体的テーマについて、課題全体のなかでの位置づけを討議する。2回目は、メンバーによる研究報告と討論を行う。
| 【館内研究員】 | 白川千尋、田村克己 |
|---|---|
| 【館外研究員】 | 飯國有佳子、伊野憲治、岡本正明、藏本龍介、斎藤紋子、高谷紀夫、田村慶子、テッテッヌティ、松井生子 |
研究会
- 2012年10月14日(日)13:30~19:00(国立民族学博物館 第3演習室)
- 土佐桂子:「統制」と公共性の人類学的研究―趣旨説明
- 全員:質疑応答および討論
- 全員:今後の研究計画について討論
- 2013年1月26日(土)13:00~19:00(東京外国語大学研究講義棟 総合文化研究所)
- テッテッヌティ「軍事政権末期におけるヤンゴン市内の動き:「批評空間」の再編 をめぐって」(発表と質疑応答)
- 田村克己「『ビルマ式社会主義』下の農村社会、そしてその後」(発表と質疑応答)
- 情報交換と次回の打合せ







