現代消費文化に関する人類学的研究――モノの価値の変化にみるグローバル化の多元性に着目して
キーワード
消費文化、モノ、グローバル化
目的
本研究の目的は、モノの流通・消費をめぐるグローバル化現象の多元性に注目した、現代消費文化に関する人類学的研究の新しい可能性を提起することにある。具体的には、アフリカにおける中古品やコピー商品、タイに輸入される日本アニメ、ガーナやラオスのフェアトレード製品、ネパールの宝石、既製服化される中国ミャオ族の民族衣装、トルコの手織り絨毯、エジプトに浸透する空手や化粧品、鯨肉の流通・消費における日本人論の消費といった多様なモノの流通・消費にかかわる事例報告をおこない、以下の二つの課題に取り組む。第一に、先進諸国・新興国・研究対象地域のあいだをモノが動くプロセスと、そこでのモノの価値変化を明らかにし、グローバルな経済システムの再編・再創造のあり方を考察する。第二に、モノの流通・消費の実践にみられる研究対象地域の自己表現のあり方やアイデンティティの変容、新しい環境観・ジェンダー観、階層化や世代間関係を析出し、研究対象地域間、および日本をふくむ先進諸国におけるそれらとの共通性・異質性を考察する。
こうした状況を踏まえ、本研究では帰還移民の生活世界について比較民族誌的に考察をし、まずは「帰還」や「故郷」をめぐる概念の再検討を行いたい。それにより人類学内での理論的な統合を試みることで、他分野との帰還移民研究の対話に向けてのモデルを構築できる。更には、人類学的研究では見過ごされがちであった20世紀の(脱)植民地/帝国化といった歴史性にも配慮しつつ、両概念を批判的に検討することを通して、「帰還移民」の生活世界の創造や戦略といった問題群に切り込む方法論を案出することを目的としている。
2013年度
| 【館外研究員】 | 相島葉月、牛久晴香、田村うらら、鳥山純子、箕曲在弘、宮脇千絵、若松文貴、渡部瑞希 |
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研究会
- 2013年7月21日(日)13:30~18:00(国立民族学博物館 第2セミナー室)
- 小川さやか「本年度の予定と昨年度のまとめ」
- 箕曲在弘「<消費>を通して考察するラオス南部コーヒー生産地域の動態」(仮)
- 牛久晴香「アフリカ農村と先進国市場をつなぐ仲介者」(仮)
- 総合討論
2012年度
本共同研究は2年半の予定で実施する。初年度である2012年度には、2回の研究会を実施する。第1回は、研究代表者が昨今の消費をめぐる文化人類学的研究に関する整理をおこない、本共同研究の趣旨説明をおこなう。また、グローバルなモノの流通・消費におけるモノの価値変化(モノの履歴)に着目して、グローバルな消費システムの再生産・再編を問う研究会をおこなう。具体的には、先進諸国の中古品や中国製のコピー商品、日本アニメ・漫画、化粧品といったモノが当該諸国へと流入し、商人や消費者により新しい価値が付与されるプロセスに着目した研究会を実施する。
第1回「趣旨説明」
第2回「モノの履歴にみるグローバルな消費システムの再編・再創造」
| 【館外研究員】 | 相島葉月、牛久晴香、田村うらら、鳥山純子、箕曲在弘、宮脇千絵、若松文貴、渡部瑞希 |
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研究会
- 2012年12月23日(日)13:30~17:30(国立民族学博物館 第1セミナー室)
- 小川さやか「(趣旨説明)現代消費文化をめぐる人類学的研究」
- 共同研究員参加者全員「これまでの研究と本共同研究会での研究テーマ」
- 2013年2月16日(土)13:30~18:00(国立民族学博物館 第2セミナー室)
- 前回欠席者「これまでの研究と本共同研究会での研究テーマ」
- 小川さやか(国立民族学博物館)「非正規品の世界からみる現代アフリカの消費文化」
- 若松文貴(ハーバード大学)「日本における鯨肉の流通・消費と文化ナショナリズム」







