ランドスケープの人類学的研究――視覚化と身体化の視点から
キーワード
消費文化、モノ、グローバル化
目的
グローバル化の進展に伴い世界各地で地域的特色をつくりだす動きが顕著になっているが、なかでも自然、建築、公園などの景観は、現地の歴史文化や民族文化と結合し、その特色を示すランドマークとなっている。しかし、こうした景観と文化のポリティクスの関係性について、我が国の人類学はいまだに十分な議論を展開しておらず、景観人類学という分野も定着していない。本共同研究は、多様な行為主体による景観への意味付与や競合に焦点を当てることで、景観研究における人類学の意義と役割を考察する。
本共同研究は具体的に、主に二つの視点から、世界各地における景観形成のメカニズムを検討する。まず、地方政府、プランナー、開発業者、旅行会社、マス・メディアなどが、紋切型の現地文化を可視化し、現地らしい景観を物理的に構築していく「視覚化」の力学(1)について探求する。次に、そうした景観が住民、観光客、芸能集団の身体経験に基づき再解釈されていく「身体化」の過程(2)を、民族誌的記述により探求する。さらに、この二つの枠組みを統合する理論モデル(3)を導き出すことで、日本における景観人類学の促進を図ることを、本共同研究の目的とする。
2013年度
| 【館外研究員】 | 石村智、大西秀之、小西公大、小林誠、里見龍樹、辻本香子、椿原敦子、土井清美、安田慎 |
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研究会
- 2013年7月6日(土)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
- 大西秀之(同志社女子大学)「生態学的アプローチによる景観人類学の可能性――ソビエト体制期のナナイ系先住民の集落景観」(仮)
- 山越言(京都大学)「構築される自然――西アフリカにおける景観イメージのポリティクスと自然保護」(仮)
- 2013年7月7日(日)10:00~16:30(国立民族学博物館 第1演習室)
- 土井清美(東京大学大学院)「もうひとつのヘリテージ・ツーリズム――表象と形象のあいだ」(仮)
- 里見龍樹(東京大学大学院)「ソロモン諸島マライタ島の『海の民』における土地利用、『資源』概念と景観体験」(仮)
- 総合討論
2012年度
初年度は、景観人類学における「視覚化」と「身体化」の概念を検討し、本共同研究会における論点と課題を共有する。具体的には、研究代表者の河合が趣旨説明を行い、景観人類学の研究動向をレビューした後、参加メンバーが各自の事例および問題関心と結びつけ、議論を深める。同時に、景観人類学の先行文献を解題するための役割分担を取り決め、理論的基盤を作る準備をなす。
| 【館外研究員】 | 石村智、大西秀之、小西公大、小林誠、里見龍樹、辻本香子、椿原敦子、土井清美、安田慎 |
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研究会
- 2012年10月14日(日)14:00~18:30(国立民族学博物館 第1演習室)
- 趣旨説明
- 河合洋尚(国立民族学博物館)「景観人類学の理論と射程」
- 全体ディスカッション「景観人類学の方法論、課題、可能性について」
- 今後の計画について







