国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

応援の人類学――政治・スポーツ・ファン文化からみた利他性の比較民族誌

研究期間:2015.10-2019.3 代表者 丹羽典生

研究プロジェクト一覧

キーワード

応援、利他性、民族誌

目的

本研究は、応援という切り口から、人類学的研究領域の拡大を図り、人間文化の特質の一端を解き明かすことを目的としている。実践的な関心とも関係する開発援助から福祉やケアサービスなど「支援」に関する研究や、アニメなど現代風俗のファン文化に関する研究は、人類学のみならずさまざまな学問分野において近年数多くなされている。本共同研究会では、こうした個別研究を横断的に架橋して、政治やスポーツにおける応援まで含めたうえで、人間にとっての利他性の特質にも迫りたい。応援(support)という行為一般を対象とするが、さしあたり政治・スポーツ・ファン文化の下位領域に分けて焦点を当て、民族誌的データをもとに比較分析を行う。

2017年度

本年度は、4回の研究会を予定している。日本からは民俗学からみた応援現象、日本以外でのスポーツ応援の事例報告(アフリカとサッカー、カナダとトライアスロン、オセアニア少数民族の独立記念日など)をとりあげる。後半は、ファン文化という切り口からの議論を行い具体的には、ヤンキー、性風俗などを扱う。また、これまでの議論を踏まえて、パネル発表を含めたせいか公開のあり方を視野に入れつつ、研究会の指針と議論の中間確認を全員で行う。

【館内研究員】 笹原亮二、三尾稔、永田貴聖
【館外研究員】 岩谷洋史、梅屋潔、小河久志、風間計博、亀井好恵、木村裕樹、熊田陽子、瀬戸邦弘、前川真裕子、高野宏康、高橋豪仁、立川陽仁、椿原敦子、難波功士、山田亨、山本真鳥、吉田佳世
研究会
2017年7月2日(日)13:30~18:30(国立民族学博物館 第4演習室)
難波功士(関西学院大学)「パフォーマーを応援するパフォーマンスの系譜――親衛隊からヲタ芸まで」
質疑応答
笹原亮二(国立民族学博物館)「芸能と観客の諸相――芸能を観ることと観客になることを巡って」
質疑応答
全体討論
2017年10月21日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第4演習室)
風間計博(京都大学)「バナバ人の歴史歌劇にみる共感の力(仮)」
質疑応答
亀井好恵(成城大学)「踊り手のパフォーマンスの変容――桐生八木節まつりを例にして(仮)」
質疑応答
総合討論

2016年度

応援について民族誌的にアプローチする。各メンバー及び特別講師を含めて毎回2名程度の発表者と何名かのコメンテイターを依頼して進めていく。本年度は、応援という現象をどう人類学的にアプローチするかという最終的な方向性を念頭に置きながら、主として事例研究に基づく発表を4回予定している。各回は、日本の大学応援団、スポーツと応援、政治と応援などの大まかな枠組みを意識しつつ、研究会を組織することで、行っていく。

【館内研究員】 笹原亮二、三尾稔
【館外研究員】 岩谷洋史、梅屋潔、小河久志、風間計博、亀井好恵、木村裕樹、熊田陽子、瀬戸邦弘、前川真裕子、高野宏康、高橋豪仁、立川陽仁、椿原敦子、難波功士、山田亨、山本真鳥、吉田佳世
研究会
2016年6月11日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 大演習室)
吉田佳世(神戸大学)「変転する女性像――日本の大学応援団における女子団員の参入とその変遷」
質疑応答
木村裕樹(龍谷大学)「「団史」のなかの応援団――「応援歌」をめぐる予備的考察」
質疑応答
総合討論
2016年10月1日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 大演習室)
高橋豪仁(奈良教育大学)「スタジアム空間の統治――統制される観客と管理される私設応援団」
質疑応答
瀬戸邦弘(鳥取大学)「応援団という空間とその世界観」
質疑応答
全体討論
2016年12月10日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第3演習室)
山田徹(筑波大学)「参加型スポーツにおける応援――トライアスロンイベントを事例として」
質疑応答
高野宏康(小樽商科大学)「近代日本における政治演説と雄弁家――永井柳田郎を中心に」
質疑応答
全体討論
2017年2月25日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第3演習室)
椿原敦子(龍谷大学)「デモと応援――A. オングのvicarious概念を手がかりに」
質疑応答
前川真裕子(神戸大学)「オーストラリアの反捕鯨キャンペーンにみる応援の政治学」
質疑応答
全体討論

2015年度

研究会を2回開催する。初回は研究代表者の丹羽典生が研究会の趣旨を説明する。また目指される研究枠組みについて、各参加メンバーと方向確認・意見交換を図る。第2回目は、応援を比較文化として論じることの意義を、申請者が平成26年にAnthropology of Japan in Japanで組織したパネルに基づいて、日本の大学応援団を事例に報告する。初年度は以上の活動を通じて翌年以降の研究会の土台作りを行う。

【館内研究員】 笹原亮二、三尾稔
【館外研究員】 岩谷洋史、梅屋潔、小河久志、風間計博、亀井好恵、木村裕樹、熊田陽子、瀬戸邦弘、高橋豪仁、高野宏康、立川陽仁、椿原敦子、難波功士、前川真裕子、山田亨、吉田佳世
研究会
2015年10月24日(土)13:30~18:00(国立民族学博物館 大演習室)
丹羽典生(国立民族学博物館)「野次・喝采から応援へ――応援の人類学的研究に向けた試論」
質疑応答
全員「各自の研究紹介及び今後の予定の検討」
2016年1月30日(土)13:30~18:30(国立民族学博物館 第3演習室)
丹羽典生(国立民族学博物館)「応援文化という領域と特性――日本の大学応援団の変化から考える」
質疑応答
岩谷洋史(神戸大学)「選択されるパフォーマンス――大学応援団における身体的動作を通じての考察」
質疑応答
全体討論