国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

ユーラシアステップにおける持続的草原利用の体系化と実践(2016-2018)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|特別研究員奨励費 代表者 鈴木康平

研究プロジェクト一覧

目的・内容

ユーラシアステップにおける持続的草原利用の体系化と実践を目指し,ユーラシアステップ東部地域を対象として,植生景観の健全性を維持可能な放牧利用パターンを地域ごとに明らかにすることを目的とする.上記の目的を達成するために,これまで各地域の植生劣化状況の把握と遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に取り組んできた。

活動内容

◆ 2018年4月より転入

2018年度活動計画

各地域の植生劣化状況の把握と遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に引き続き取り組む.そしてこれらの研究成果を統合することで,植生景観の健全性を維持可能な遊牧民の植生景観利用パターンを地域ごとに明らかにし,政策提言に繋げる。
各地域の植生劣化状況の把握に関しては,モンゴル全域を対象とした植生劣化評価について現在論文投稿準備中であり,この投稿作業を進める。
遊牧民の植生景観利用パターンの類型化に関しては,第一に広域を対象とした植生景観利用パターンの類型化をさらに進展させるために,夏季に約1カ月程度モンゴルにおいて現地調査を実施し,情報を収集する予定である.この現地調査には国立民族学博物館教授の小長谷有紀氏が同行する予定である.モンゴル西部に位置するバヤンウルギー県において遊牧民の植生景観利用方法に関する聞き取り調査を中心的に行う予定である.また昨年度に開始した過去に行われた遊牧様式の類型化研究のレビューも継続する予定である.第二にウランバートル周辺県における植生景観利用パターンの類型化について,平成28年度に行った現地調査で収集した情報を用いて論文投稿準備中であり,この投稿作業を継続する。