国立民族学博物館(みんぱく)は、博物館をもった文化人類学・民族学の研究所です。

高等教育機関における意思疎通支援人材育成システムの開発(2016-2018)

科学研究費助成事業による研究プロジェクト|基盤研究(C) 代表者 池谷航介

研究プロジェクト一覧

目的・内容

我が国の高等教育機関において、手話通訳や要約筆記等、意思疎通支援を必要とする障害学生数は年々増加し、障害学生支援室等の設置や教職員の配置が進みつつある。しかしながら、多様化するニーズへの対応、実際の支援を担う人材の不足、そして博士課程等において高度に専門化する意思疎通内容への対応は喫緊の課題となっている。そこで本研究では、意思疎通支援に関するニーズを詳細に調査分析した上で、全ての高等教育機関で運用可能な人材育成システムの開発について知見を得ることを目的とする。また、平成25年の障害者総合支援法で、「特に専門性の高い意思疎通を行う者を派遣する」ことが都道府県の必須事業と定められた。本研究において意思疎通支援人材育成システムを検討することは、地域社会からの要請にも資するものである。

活動内容

◆ 2017年4月より転入
◆ 2017年7月より転出

2017年度活動計画

【第2段階】(平成29年)PDCAサイクルによる検討を踏まえた実践的な研究期第1段階の研究による結果から得られた仮説に基づいて、意思疎通支援人材育成に関する研修等の実践的な取組みを実施し、その妥当性及び効果を検証する。この段階で計画している実践の妥当性及び効果の検証にあたっては、実践研究の対象となる、障害学生支援活動に協力する学生のモチベーションといった質的な問題、あるいは課題解決に向けた実践における外部講師とのマッチングの問題等、現段階における不確定要素が想定される。実践研究にあたっては代表者分担者全員による事前事後の検討によって実践方法の精選を可能な限り図ることに加え、予め複数の実践計画を準備し、効果の検証に著しい遅延が生じないよう対応する。
・第1段階における調査の分析と仮説の生成(全員/第1段階調査の分析結果に考察を加え、第1次中間まとめを作成・学会で報告)・仮説に基づいた意思疎通支援人材育成に関する実践研究及びPDCAサイクルによる実践の妥当性及び効果の検証(池谷・望月・楠・井坂/意思疎通支援人材への研修等の取組みを実践し、定着度や状態不安尺度等心理的尺度を用いた検証を実施)